垣間見える過去-18
な、何ですかこの展開は!
「えっ! 大丈夫ですって、本当に」
あたしは両手を胸の前でブンブン振りながら彼の申し出を断った。
「大丈夫、送り狼みたいな真似はしないって」
その言葉にさらに顔が熱くなる。
いや、勝負下着なんてつけてるからあたし的には全然OKなんですけど!
一人でそんなやらしい展開を想像してしまい、鼻の穴を膨らませてるあたし。
そんなだらしない顔をキュッと引き締めながら、
「いや奢ってもらった上に、本当にそこまでしてもらうと、悪いから……」
と、あくまでも彼の申し出を丁重にお断りし続けた。
しかし久留米さんは、
「……夜道を一人で歩かせたくないんだよ」
と、悔しそうに言ってこちらを見る。
途端に、あたしの心臓はバクバク高鳴り始めた。
そんなことサラリと言われたら、変に期待しちゃうでしょ?
「家、どっちの方角なの」
「……あ、そっちです」
結局あたしは久留米さんの申し出に根負けして、家のある方角を申し訳なさげに指差した。
ヤバい、もしかしたらもしかして……。
あたしはワンピースの胸元をちょっとつまんでささやかな胸にあてられたレースのブラを一瞥した。