第14章 体がとても熱くて、あなたのせいよ!-1
ひたぎを送り届けた昴は、一人部屋で衝撃的な今日の出来事を考えていた。12時を回った頃、携帯が鳴った。ひたぎからの着信だった。
「ひたぎかい?」
「こんな時間にごめんなさい。迷惑だったかしら?」
「僕も、ひたぎの声を聞きたいと思ってた」
「そう・・・私のことを考えてくれていたの?」
「ああ・・・」
昴がかすれた声で答える。
「私もよ・・・あなたの言葉を何度も繰り返し思い出してしまう。そして、あなたに抱き締められたことも・・・」
「今日のひたぎは本当に魅力的だった。美しい君の姿を、君の表情を、君の声をずっと考えていたよ」
「そう・・・考えただけ?」
「そ、それは・・・」
「体を熱くした?」
「ひたぎへの思いが溢れて止まらなくなるんだ」
「そう・・・私もよ・・・体がとても熱くて・・・あなたのせいよ」
「・・・・・」
「私の、どんな姿を思い出していたの?」
「それは・・・」
「答えて」
「レストランの窓辺で・・・」
「嘘おっしゃい!あれほど狂おしく私を求めておいて、それを差し置いてレストランなんてあり得ないわ」
「ごめん、本当は・・・ベッドで・・・抱き締めた時の・・・」
「時の、どんな姿?」
「僕の腕の中で震える・・・狂おしいひたぎの姿だよ」
「そんなことを・・・いやらしい人・・・そんな姿を思い浮かべて、どうしたの?一人でしているの?」
「ひたぎ、ごめん。思いが溢れて止まれなかった」
「しているのね?」
「ご、ごめん・・・」
「なんて人、人間のクズね!」
「そ、そうじゃないんだ。君を思うばかりに・・・」
「言い訳は聞きたくないわ。あなたは私が何も知らないことにつけ込んで、私にいやらしいことをした。それだけならまだいいわ。いやらしいことを教え込まれた私の体は、一人になってもこんなに火照って・・・そのことで悩んでいる私に、あなたは私の破廉恥な姿を思い出して慰みものにしていたと、そう言ったのよ!」
「どうして、そうなるんだ???」
「酷い人。看過できないわ」
「看過できないって、どうなるんだ?」
「私の知らないところで、勝手なことはさせないわ。一人でなんて許さない。これからは電話かメールで私に連絡を取って、私の前でなさい!」
「そ、そんな!」
「それから私に恥ずかしいことをした罰よ。私にした以上に、あなたにも恥ずかしいことをしてあげる。あなたを辱めてあげるわ」
「お前、最初からそのつもりで・・・」
「なんのことかしら?いわれのない言い掛かりは止めてちょうだい」
言い掛かりはひたぎの方だが、ひたぎがこうまでするのは、昴がひたぎの体に強い刺激を与えたことが原因だった。今は黙ってひたぎに従うしかなかった。
「まず、あなたのしたことを教えてあげる。狂おしく悶える私の姿を思い浮かべていたとそう言ったわね。その時、あなたは私に何をしていたの?」
「ああ、それを言わせるのか?」
「もちろんよ。あなたが私に、どんなにいやらしいことをしたのか、はっきりと、おっしゃい!」
「ずっと好きだったんだ。そんなひたぎを抱き締めたいとそれだけだった。だけど、あんな形で抱き合ってしまって・・・」
「何をしたの?」
「ひたぎが可愛い過ぎて・・・疼くものをひたぎの体に・・・」
「そうよ、それも女の子のとても敏感な場所を押し開いて、その内側まで押し入って、暴れ回ったのよ」
「ああ、どうしてそんな言葉を使えるんだ・・・」
「それだけじゃないわ。あなたは、更にその奥まで分け入って、女の子の最も敏感な場所を執拗に責め立てた」
「ああ、ひたぎ、どうすれば・・・」
「あなたが私に恥ずかしい声を上げさせたのよ。あなたが私に腰を振らせたの。あなたが私に恥ずかしい言葉を言わせ、あなたが私に快感を貪らせた。あなたのせいよ!」
「僕は、なんて事を・・・」