真弓の失恋。そして…-2
眉根に皺を寄せて真弓が断言した。
「そ、そんなこと無いと思うで。あのカッコイイ裕樹の彼女やったら、可愛いんちゃう(あたし、性格悪〜)」
「いややあ、ブスやと言うて、その子の性格も悪いって言うて、身内の結衣がそう言うてくれへんと立ち直られへん」
「わ、わかった。そいつはメッチャ、思いっきり、トンでもなくブスで、性格も超最悪や(たはは…)」
「ありがとう。チョット落ちついたわ。結衣のお陰で部活やる元気が出たわ」
しかし、この日の2人は部活に全く身が入らなかった。1人は下半身の動きはぎこちなく、1人はため息ばかり。そして気づくと、2人揃ってサッカー部の練習に見入っていた。
(きゃあ、裕樹かっこいい) 1人は目を輝かせ、
「はああぁ」 1人は遠い目をして。
なんとか部活が終わり、帰宅を急ぐ結衣はてきぱきと着替えた。しかし、いつもは覇気の塊の真弓が、ため息をつきながらモタモタと着替える姿に、結衣はなかなか声も掛け辛かった。
そして気づけばいつの間にか部室に残っているのは2人だけになっていた。
ようやく着替え終わった真弓が結衣に言った。
「結衣、今日はあたしに付き合って慰めてな」
「あっ、ごめん。今日はアカンねん。この後大事な用事があるんや(裕樹とエッチすんねん)」
大事な用事の前に、先ずは帰宅途中に薬局に寄ってコンドームを買わないといけない。聡明な2人の明るい家族計画には必需品だ。じゃんけんで負けた結衣が買いに行くことになっていた。
「え〜〜〜、結衣ってそれは無いでぇ」
そう言われても裕樹とのセックスが一番大事だ。
「わかった。今度真弓の望む通りにおめこ一杯舐めて慰めたるから、今日はこれでごめんやで」
申し訳なく思った結衣は、取り敢えず真弓を慰めることにした。
「へっ、おめ…」
思ってもいなかった結衣の卑猥な言葉に、真弓は吃驚して固まった。
「そうそう、お・め・こ」
結衣は目を見開いて自分を見つめる真弓のスカートを、卑猥な単語で韻を踏みながらめくりあげた。
「やあん、真弓〜、割れ目ちゃんにパンツ食い込んでるで」
テンションの上がった結衣は、真弓の下着の中に指を入れると、卑猥なスジに沿って指を這わした。
「よしよし、濡れとる濡れとる。真弓ちゃんのおめこエッチで可愛いよ」
そういいながら、敏感な部分をクチュクチュと弄りだした。
「やあん」
イキナリの快感と驚きで真弓はその場に座り込んだ。
真弓は失恋の憂さを晴らすために、結衣と2人でカラオケでも行って騒ごうと思っていた。しかし素直で真面目な結衣は、一昨日の真弓の言葉を鵜呑みにしていたのだ。
「ごめん、今日はこれくらいな。今度はたっぷり舐めるから堪忍やで。あっ、もう行かんと時間が無くなる(エッチする時間が)。じゃあね」
両親が帰ってくる夜までの時間がもったいなくて、結衣は呆ける真弓に手を振って、ふらつく腰で部室を走り去っていった。
真弓は腰が抜けたままそれを呆然と見送った。
一昨日、失恋したら自分の秘部を舐めて慰めてと言ったのは、もちろん結衣をからかうことが目的で、実際にして貰うつもりは毛頭ない。
幾ら卑猥なことを口にしていても、今まで結衣をそんなことの対象に考えたこともなかった。