青の荒野-8
そう言うとガレットは少佐に向かって敬礼をし、部屋をあとにした。人気のない通路を歩いているとしきりに今日の出来事が思い出される。
「よし、やるしかないよな。」
自分に言い聞かせるように呟き、談話室に向かう。そこからティアラに電話をするために。
「あ、中尉!お電話が入っています。」
談話室に入った瞬間に声がかかった。見事にいいタイミングで、受話器を取る。
「はい、お電話かわりました。」
『ガレット?ティアラです。』
「ティアラ?びっくりした。ちょうど今から電話しようとしてたんだ。」
『本当?よかった…。ちゃんともう一度言おうと思って…。』
「ああ。」
『これからもよろしくね?』
「こちらこそ。一緒に頑張ってこうな!」
この時どれだけ自分の顔がやさしくなっていたか、ガレットは知らないだろう。むしろ電話を切ったあとのまわりの質問責めで聞かされるに違いない。
こうして二人の旅が始まっていく。二人の続きはまた今度。