青の荒野-6
「はぁい、なに?お話は終わったの?」
「ティアラをオレのパートナーとして連れていきたいんだ。許してもらえるかな?」
ガレットはティアラの横に並びシャオに報告をした。急な出来事にティアラは思わずガレットを見上げる。ガレットは真っすぐシャオを見ていた。
五年前とは違う、大人の男性がいる。
シャオはそんな二人を見ていた。
「ティアラ、いいのね?」
「はい…。」
「ガレット中尉、頼むわ。この子見てのとおり可愛くなっちゃったから、悪い虫がつかないように守ってあげて。」
「本当に、見違えたよな。びっくりした。」
「うちの看板娘なんだから。」
シャオは誇らしげにティアラを自慢する。ティアラは恥ずかしそうに両手で否定した。この微笑ましいやりとりで、ティアラの五年間がどれだけ恵まれていたかが分かる。きっとこの半年間二人は何度も話し合ったんだろう。
オレが断固として反対したらシャオはどうするつもりだったんだ?
ガレットは当然のように疑問をもったがすぐに解決された。きっと同じ結末になったに違いない。仲良くはしゃぐ二人を見ていたら分かることだ。
「じゃあ、オレ帰るわ。」
「あら、もう帰っちゃうの?ご飯でもたべていけばいいのに。」
ガレットの言葉にシャオがいち早く反論した。シャオの言葉にティアラも何度も頷く。
「無茶言わないでよ。これでも勤務中なんだからさ。表のジープも目立っちゃうじゃん。」
「交渉がうまいこといきませんでしたとか何とか言っとけばいいじゃないの!ティアラが作る料理食べたいでしょ!?」
「相変わらずだね、お姉。確かにひかれるけど、そうゆっくりしてられないのも本当なんだ。」
「そう…残念ね。」
シャオは本当に残念な顔でティアラに相づちを求めた。ティアラも残念な顔で頷く。
「この町にくるのも解禁になっちゃったし、またすぐ来るよ。」
ガレットはティアラの頭をなでながら約束を交わした。軍から離れて普通の生活をするために、ガレットはあえてティアラには会わないようにしていた。
これも全て、かたぎであっとほしいと願う故の事をティアラは知らない。
不思議そうにガレットの顔を見つめる。やはりどことなく複雑な表情だった。
「お姉!これ、オレの番号。EFになるまでは軍の交換士経由になるけど、EFになったらまた違う直接かかる番号教えるから。何かあったら電話して?」
「分かった、預かるわね。」
「直にティアラの所に軍から連絡あるから。その時は対応してくれな?」
「うん…分かった。」