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Betula grossa
【ラブコメ 官能小説】

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ライバル宣言?-6

「少年!こんな所で何黄昏ているんだ?」
公園のベンチで考え事をしていると声をかけられた。
「えっ?」
顔を上げると香澄さんが立っていた。
「もう仕事が終わったんですか?」
「もうじゃない!やっと仕事が終わったんだ!今日は朝早くから仕事だったからな!」
「香澄さんも大変ですね....」
「まあな!でも好きでやってる仕事だからな!ところで....こんな所でボーっとしてると風邪ひくぞ!」
「そうですね....」
「そうですねって....元気がないな....悩み事でもあるのか?」
「悩み事って程でもないですけど....」
「そうか....じゃあ....ついて来な!」
「えっ?」
「話を聞いてやるよ!こんな所で話してて風邪でもひかれると面倒だからな!これでも少年よりは長く生きてるんだ!お金の事以外だったら相談に乗ってやるよ!」
驚いたように香澄さんを見ていると
「もしかして....お金の問題か?」
心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
「高校生の俺がお金の問題で悩むなんて....」
「イヤ!高校生だからこそって事もあるぞ!例えば誰かを妊娠させてしまって....中絶費用が必要だとか......」
「えっ!」
驚いて香澄さんを見ていると
「えっ!そうなのか?でもそれくらいならなんとかなるぞ!で?相手は誰だ?ってこんな所で話する話題じゃないな!ついて来い!」
俺は香澄さんに引きずられるようにファミレスに連れ込まれた。
「で?相手は誰だ?笑美ちゃんや美菜ちゃんって事はないよな?親しくなって1ヶ月も経っていないから....」
俺が何も言えず黙っていると
「ん?もしかして....」
「香澄さん....言っておきますけど....俺、誰も妊娠させていませんから....」
「えっ?そうなのか?つまらん....」
香澄さんはがっかりとした顔をした。
「じゃあ....何に悩んでいるんだ?」
「実は....笑美ちゃんと姫川さんの事なんですけど....」
「ん?笑美ちゃんと姫川さんの事?」
「はい....実は....」
俺が事情を話そうとした時
「香澄!お前高校生に手を......」
声をかけられたので、見ると梓さんだった。
「なんだ....少年か....私はてっきり香澄が同年代の男に相手にされないので高校生に手を出したのかと思った....」
「梓じゃあるまいし....私は男に興味がないんだよ!」
「えっ!香澄さんってレ....」
「違う!そっちでもない!仕事一筋に生きてるって事だ!」
「そうなんですか....」
「そんな事はどうでもいい!少年は何を悩んでいるんだ?」
俺は今日の出来事を話した。笑美ちゃんと話している時に姫川さんが来た途端に空気が変わって険悪な雰囲気になった事を....
「本当にその理由がわからないのか?」
「えっ!香澄さんにはわかるんですか?」
「わからないほうがおかしいと思うが....当事者だとわからなくなるのかな?なあ梓?」
梓さんはニッコリと俺に微笑んで
「心配いらないよ!笑美は今日美菜ちゃんの家にお泊まりするみたいなんだ!だから心配いらないよ!二人はケンカなんかしてないから!」
梓さんの言葉を聞いて俺はホッとした。
「お前達....本当にそう思っているのか?」
香澄さんが呆れたように聞いてきた。
「他に何かあるの?」
梓さんの言葉に香澄さんは頭を抱え
「梓に彼氏が出来ない理由がわかったような気がする....こんな風にチャンスを逃しているんだな....」
そう呟いた。


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