それぞれの世界-7
どちらかと言えばあたしは正反対。
ストレートのロングヘア、168センチと女にしては上背があって、太っている方ではないけど健康的な身体とはよく言われる。
服装だって、どちらかと言えば露出が多い服ばっかり着てることが多い。
今日だってそう、誰とも約束してないから気合いは入ってないけど、ショートパンツに胸元が大きく開いたタンクトップを着てるし。
本当は塁好みの女の子になりたかったけど、あたしはショートヘアが泣けるほど似合わないし、元々骨格がしっかりしているのか、華奢にはほど遠い。
服装だって女の子らしい格好よりも、ややギャル寄りの元気のいい格好が似合うって友達には言われるし。
塁の理想のタイプとは根本的に違うけど、あたしはあたしのスタイルを貫いてきた。
でも、こんな光景を目の当たりにするならば、もっと塁好みになれるよう努力すればよかったと後悔が一気に押し寄せる。
あたしはバクバクしている胸を宥めるように、そっと左手で押さえながら、塁から見えない位置に身を隠した。