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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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それぞれの世界-6

ドラマコーナーに足を踏み入れたその瞬間、目に飛び込んできた光景にハッと息を呑んだ。


そこには高校生くらいの女の子らや、小さな男の子を抱っこしたお母さん、小太り気味の地味な中年男性がそれぞれ何を観ようか棚を見上げていたり、ケースを手にとったりで賑わっていた。


でもあたしが息を呑んだのは、そんなありふれた光景じゃない。


ドラマコーナーの奥まった所にいたカップルに、視線を一気に降り注いだ。


そこには、友達と遊んでいるはずの塁と、見たことのない女の子が一緒に観るドラマを選んでいた。


紺と白のボーダーのマキシワンピに、淡い色した半袖デニムジャケットを羽織った女の子。


パーマのかかったショートヘアは、小さい顔によく似合っていた。


ジャケットから出た二の腕は細くて白くて折れそうなほど儚くて。


この娘、モロに塁のタイプじゃん。


塁は、ショートヘアで、小柄で細い身体で、ギャルっぽくない服装をする娘が好きだった。




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