結衣の頼みごと-1
【結衣の頼みごと】
脱衣場で裕樹がいつものように脱衣籠に手が伸びかけたが、「ハッ」としてその手を止めた。
しばらく前から結衣の脱いだ下着を脱衣籠から取り出し、秘部が当たっていた部分を見ながら、結衣のその部分を想像して楽しむことを日課にしていた。
しかし、昨日のことの猛省をしていた裕樹は、その日課を止める決意をしたことを思い出したのだ。
風呂から上がった裕樹は、いつものようにテレビも見る気もしないので、自分の部屋に戻った。
ベッドに入って読みかけの小説でも読もうとしたが、映る活字は目の前を滑るばかりで、一向に頭に入らない。
裕樹は小説を読むことを諦めて、スマートホンに手を伸ばした。
画像アプリのアイコンに触れ、しばらく前に撮った裕樹の入学式の日の画像を拡大した。そこには制服姿の結衣と裕樹が仲良く並んで映っていた。
いつから姉に惹かれたのかはわからない。初めは構って貰いたい裏返しで、自分からちょっかいを出していたように思う。しかしそれはあくまでも姉弟としての想いだった。
それが結衣が中学校に進学してからじゃれ合うことも無くなり、寂しく思う心が募っていった。その思いが徐々に惹かれる心に変化したようだった。
「なんであんなことしたんやろ…」
昨日から自問するが答えは何となくわかっていた。昨日はやけに結衣の視線が気になり、裕樹はいつも以上に結衣を意識してしまった。
その結果、いつもより自慰行為に没頭してしまう結果となり、無防備にも結衣に見せてはいけない姿を見せてしまった。これで一気に箍が外れてしまう結果となったのだ。
しかし、幾ら猛省しようが若い肉体は反応してしまうものだ。短めの制服のスカートの裾から伸びる結衣の足を見ている内に、裕樹のモノはむくむくと力を増していった。
こうなったらもう止めようがない。いけないと思いつつ、結衣に似た女優の出演するいつもの動画を再生させてしまった。
トランクスを下げて、右手でイチモツを握った時に、扉にノックの音が響いた。
「裕樹入っていい?」
結衣の声に裕樹は慌てた。
「ちょ、ちょっと待って…」
と言ったが間に合わなかった。まさか昨日の今日で、またしても自慰行為をしているとは思わなかった結衣は、ノックの後で返事を待たずにそのまま扉を開けてしまった。
「きゃっ」
二日続きで裕樹のイキリ勃ったイチモツを見た結衣は、流石に慌てて扉を締めた。
しかし裕樹の方は二日続きのことで、逆に開き直った。慌てて踵を返して自分の部屋に戻ろうとした結衣を扉越しに声を掛けて引きとめた。
「結衣、待って」
自分から結衣の部屋に行くことはできない。せっかく結衣が来たので、このチャンスを活かして正直に昨日のことを詫びようと思ったのだ。
裕樹の声に結衣の動きもパタリと止まった。どうしようかと一瞬考えたが、取りあえずさっき自分の部屋で決めたように、いつも通りに接しようと思った。
「いい?入るよ。チンチン仕舞った?(何聞いてるのよ)」
「う、うん、仕舞ったから入っていいよ(何言ってんだ)」
扉を開けて俯きながら結衣が入ってきた。