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憧れのあまさ
【女性向け 官能小説】

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自分のあまさ-1



「なーに、話してんの?」

厨房から顔を出した店長に心臓が跳ね上がった。
地獄耳め。

「え、いやあの・・・」

思わず目をそらして口ごもる。
が、由美さんはこれはチャンスとばかりに、上目遣い攻撃炸裂で店長にすり寄っていた。

「美優ちゃんとお話してたんですよー、店長かっこいいし、彼女とかいないのかなー?って」

女のわたしから見ても、美人の分類に入る由美さんに擦り寄られてもまったく動揺しない店長に、もはや尊敬すらした。
いつもの営業スマイルを崩さずに、由美さんを適当にあしらう。
向かう場所はわたしの隣。

「へえ、で、美優ちゃんはなんて言ったの?」

腕を回すのはわたしの肩。
わたしはのんきに、由美さんの大きな目がさらに大きくなったなー、とか考えていた。

「まあ、美優も言いづらかったのかな?ほら、別にうちの店、職場恋愛禁止してないし?」


さりげなく呼び捨てにするのも、芸が細かいなーと思いながらわたしは、スニーカーの先をぼんやり眺めていた。



由美さんがやめたのはその3日後だった。
決まっていた由美さんのシフトは責任を持って、わたしが出た。






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