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憧れのあまさ
【女性向け 官能小説】

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自分のあまさ-5





「じゃあ、伝えなきゃいけないことはこれくらいかな」

1時間ほど話したあと、めぐみ兄ちゃんは腕時計をちらっと見た。
その仕草にさえどきどきしてしまう。

「美優ちゃん、帰り大丈夫?送って行こうか?」
「・・・え、あ・・・だ、大丈夫です!」

声がうわずる。
慌てるわたしをそこまで気にした様子もなく、めぐみ兄ちゃんは、わたしの頭に手をのせ、ぽんぽんと軽く叩いた。

「じゃあ、気をつけて帰ってね」

ドアを開けてくれる。
動作のひとつひとつにどきどきしてめまいがした。


「あ、ありがとうございました」

平然を装うのを失敗したのは、今日何度目だろうか。
震える語尾を隠しながら、ぺこりと頭をさげた。

「あ、そうだ美優ちゃん!」

歩き始めた時、後ろからめぐみ兄ちゃんの声が聞こえた。
心臓が口から出そうになる。
恥ずかしさと不安と少しの期待を感じながら振り返った。

「次来る時は、俺のこと店長って呼んでね。さすがに兄ちゃんはもうやめてください」

その言葉がわたしの心にに引っ掻き傷を残すのはたやすかった。





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