自分のあまさ-4
「久しぶり。美優ちゃん」
面接、と言っても久々の顔合わせ、とお店に呼ばれたのはそれから3日後。
お母さんから携帯の番号は教えてもらっていたけど、まさかかかってくるとは思っていなかった。
しっかり登録はしていたのだけれど。
閉店後のお店は静かで、めぐみ兄ちゃんが開けてくれたドアについたベルの音が響く。
「7時閉店って、早いんですね」
恥ずかしさを隠しながら、話をふる。
語尾がふるえた。
「本当はもっと遅くまでやりたいんだけど、製造が追いつかなくてね」
苦笑いな、めぐみ兄ちゃんの笑顔はやっぱりきらきらしてて。
小さな頃追いかけた、あこがれの人そのものだった。