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憧れのあまさ
【女性向け 官能小説】

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自分のあまさ-3





「美優、恵介くん覚えてる?」

お母さんが何気なく言ったのその名前に、心臓がぴくんとはねた。

「めぐみ兄ちゃん?」

昔、近所に住んでいた、めぐみ兄ちゃん。
幼稚園に入りたてのわたしは、学生服のめぐみ兄ちゃんの後をついて困らせていた。

当時高校生だった彼は、わたしのあこがれであり初恋の人だったりする。
と言っても、13歳という年の差はとても遠く、かなわないと分かっているものだけど。


「そう。このお店、恵介くんが開いたお店なの。本当は高校生はだめだけど、平日働けるし、美優ちゃんなら大歓迎って」

興味をしめしたわたしを見て、早口で話すお母さん。
めぐみ兄ちゃんのお店。
思わず、チラシを手にとる。
チラシの端に小さく、ケーキを作っているであろう、めぐみ兄ちゃんが写っていた。
最後に会ってからもう10年近く経とうとしているが、あの日のきらきらした笑顔が残っている気がして。

なにより、彼が今もわたしのことを覚えている事実がとても、わたしの胸をじんわり、不思議な思いにさせた。




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