第9章 こっちに来て、私をギュッとなさい。-1
「おいおい、ひたぎ!一つ忘れていないか?僕はそんなひたぎが好きなんだ。僕の思いを軽く見るなよ!」
「あら、格好よいことを言ってくれるわね?でも、そう言うことは、おちんちんを隠して言うものよ」
「そこかよ!?」
昴があわててズボンに手を伸ばす。
「そんな強がりを言っていられるのも、後少しだけどな」
「どういうことよ?」
「俺の身体にしがみついて、はしたなく声を上げるころには、素直になれるんじゃないか?」
「ば、ばか!」
ひたぎがクッションを投げつける。昴は除けようともせず、体でそれを受け止める。
「そんなことより、ひたぎ、デートの予定立てようぜ!真面目に考えてきたからな!」
「ねえ、もう一度、好きだと言ってくれる?」
「ああ、ひたぎが好きだ!」
「もう一度・・・」
「何度でも言うぞ。ひたぎが大好きだ」
「どれくらい好き?」
「そうだなあ・・・いつか家族を守れる自信がついたら、二人で子供を作りたいと思うくらいかな?」
「あは、笑える。で、どんな予定なの?」
「色々考えたんだ。楽しめて、ゆっくりと話せる場所を、夕方になると静かになって、」
「どうして、夕方に静かなの?」
ひたぎが上目使いで昴を見つめる。
「忘れられない思い出にしたいからな」
「言葉も選んでくれるのよね」
「そこなんだ、ひたぎにふさわしい言葉を探してる。大切なひたぎが、その気になってくれる思いを込めた言葉をね」
「そう・・・」
「こっちに来て、私をギュッとなさい」
「って、予定は?」
「任せるわ。早くして!」
「ああ、こ、こうか?」
昴が私を抱き寄せる。昴の匂いに包まれる。
「もっと強く・・・」
「こうか?」
「もっと」
「これくらいか?」
「ええ・・・優しくして・・・」
「ああ・・・」