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想ぃの行方
【青春 恋愛小説】

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想ぃの行方-4

別れ際、『体育館で遊んで帰ろうと思ったら見つけただけだから』と言い捨てて行った。……そういえば、どうして探し物が指輪だって分かったんだろう?



―翌日―

「心おはよう♪」
何やら上機嫌で麻衣は声をかけてきた。聞いてくれといわんばかりにそわそわしていたので仕方なしに聞いてみた。

「何かあった?」

「えへっ!昨日ね、速水くんと帰りが一緒になって〜家まで送ってくれたの」

「へぇーよかったねぇ!」

【………ん?速水?帰りが一緒になった?】

「おはよう西野、佐田」

そこへタイミングよく速水が現われた。

「速水くんおはよう♪」

麻衣はより一層上機嫌で言った。私はすかさず速水に質問をした。

「昨日、帰り早かったの?体育館で遊んで帰ったんじゃないの?」

速水はきょとんとした顔をしていた。

「昨日はカラオケ行く予定だったけど、矢田が用事あるからって断ってきたから中止になって帰ったけど?」

………?何これ。
まさか、矢田は昨日ずっと探しててくれたわけ?二時間もの間?………………。



――――まいったな。嫌な奴かいい奴か分からなくなってきた。………………………本当、困ったな。




―数日後―

今日は一段と女の子たちがにぎわっている。何故か。女子は今日は調理実習でお菓子作りがあるからだ。みんなお目当ての男の子に渡そうと、念入りに計画をたてているよう。

「私、矢田くんにあげよっかなー」

「えー私も」

やはり、あの男の名前はでてくるわけか。呆れたように聞いている…………にも関わらず、私は何故作ったクッキーをラッピングしているのか。
そして何故、その視線の先に矢田がいるのか。
まったくバカか私は。
これは探し物のお礼。それだけ。…………でしょ?
なのに、矢田のまわりには女の子がいてなかなか渡せない。しかも妙にどきどきしてる。………最悪だ。





放課後、また私は一人で教室に残っている。言っておくが、また無くしたわけではない。ただの日直の仕事だ。
結局クッキーは渡せずじまいで妙にどっと疲れを感じていた。
すると、またしても教室のドアが開いた。


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