トラブルの果てに-6
パスポートを作るのに必要なのは、戸籍謄本または抄本、住民票の写し、パスポート用の写真、運転免許証などの身元確認書類。
申請するのは本人が来るのが一番手っ取り早いけど、来れない場合は代理申請もできる。
ただし、受領するときは必ず本人じゃないとダメ、らしい。
まあ、代理申請とか未成年の申請とか、遠隔地申請とか、ケースバイケースで他に必要なものとか書いてもらう書類が増えたりするみたいだけど、基本は上記の通り。
住民票の写しに関しては、住民基本台帳ネットワークシステム――住基ネットで確認できれば原則として用意しなくてもよいから、わざわざ用意する人はほとんどいないそうだ。
ちなみに、この住基ネットは、臨時職員は触れない決まりになっている。
住基ネットを使っていいのは嘱託の越後さんと、地域振興課の旅券発行業務担当の松村主査と、寺内主事だけである。
だからお客さんが来れば、あたしが対応している間に彼らが住基ネットを立ち上げ、申請書に書かれた住所と、住民登録されている内容に相違はないか調べるスタイルをとっていた。