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煌めきのした
【OL/お姉さん 官能小説】

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煌めきのした-4

それから何事もなく数日が過ぎた。
彼が私を見るまなざしは変わらない。

あの夜の話はまるで夢のなかでみた記憶のように思えるがいつもと違う特別な日はやって来なかった。
「別れてもいいわ。」といった私。もっとちゃんと向き合うべきだったと思う。
本当はいまにもメールが入って、あの道玄坂の和食店での待ち合わせを期待しているのかも知れない。
このままあそこにも二度と訪れる事はないのかと思うのがあまりにも切なかった。
もう大人なんだから自分のする事にすべて責任をもたなければならないと思いだしたのは彼に出会ってからのことだった。

「どうだ?会社の方は。」

夕食を済ませてお茶をすする父親が問いかけた。

「普通かな・・なんで?」

「近頃、残業も少ないようじゃないか。」

彼に抱かれた夜のその倍ぐらいは本当に残業をしていたのだ。
その残業もそういわれてみれば、近頃少ない。少し残業があったところで父よりは早く帰宅しているせいもあるのだろう。

「後輩たちも仕事に慣れたせいかな、私もずいぶん楽になったわ。」

「ほう、おまえも偉くなったもんだな。」

嘘をついたみたいで少し心苦しかったけど、半分はほんとのことなのだ。ただし、私はそれほど偉くはない。

「お父さんの所はどうなの?」

娘らしく明るく言葉を返してみる。妻子ある男との親密な関係をこの父親にだけは知られたくない。

「うむ、いかんなあ。TPPの影響以前に食品業界は頭打ちさ・・・」

こんな父もあと残すところ数年で定年を迎える。実質父にその影響はないだろうに自分の去った行く末を案じているのだ。
彼もいずれはきっとそういう人なんだろうと思う。
少なくとも書面に表された自分の進退より、社内の風紀やあるいは私の立場を思っての苦肉の判断だと私には思える。

本当に好きになってしまったのかと思えば、それはそれで実にばかばかしい話にも思えるのだけど・・・

部屋にこもってしまえば、後はお風呂を済ませて眠るだけとなる。
つい携帯を開いてメールが入っていないかと確かめてしまう。
メールといえば、彼からしかないのだ。課の他の女の子たちは帰宅してもメールや電話を交わしたりしているのだろうか。
最初のうちは彼に眠る前に必ずメールをくれるようにとせがんだ。
奥さんと眠るのは仕方ないけれど、それでも私を思い出すようにとどこかやっかみを持っていたのかも知れない。

以前のメールを紐解いてみる。
「今夜、大丈夫?」 「帰りついたかい?」 「愛してる。」
それらはいつしかときめきを失っていた。コピーされた日常でない日のそのまた複製のように携帯の中によどんでいく。
それでもひとつひとつに愛おしさを感じられた。

胸の中がほのかに熱くなって、スエットの中に手を忍ばせれば彼の形になってしまったオマンコはその指先を彼のものと勘違いする。
絡みつく陰毛をひっぱりながら、柔らかな亀裂の間を撫でさすれば彼と過ごした夜を思い出す。
ここと私の反応を眺めて愉しむのが彼は好きなのだ。


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