花屋 華子-1
いつも花を買いにきてくれる人がいる
30代前半の真面目そうなサラリーマンだ
昨日。
私は花をプレゼントされた
いつも貴方を見るために通ってました
僕からのプレゼントですって…
なんだかキュンとした
だから
私は食事の誘いを受け
今
彼とご飯を食べている
「華子さん…実はこれ…」
彼は指輪を出した
「結婚を前提に付き合ってください」
照れながら言う彼
嬉しかった
私はすぐにOKした
*
彼はタクシーで私を家まで送ってくれた
チュッ
私は彼の頬っぺにキスをした
彼はビックリしたように頬っぺを触り目をまん丸にしている
「さようなら」
タクシーが見えなくなるまで私は手を振った
ガッ
後ろから頭を殴られ私は気を失う
*
ここは…
私の家…
私は後ろ手に縛られていた
なに!?
「起きたか?」
!!
目の前には彼と同じく花を毎日買いにきてくれる人がいた
ストーカー
彼とは違う…
私を毎日やらしい目で舐め回す為にきている人だ
「さっきの男は誰だ?俺がいるのに何故だ、何で他の男とデートしてるんだ?」
ストーカーはナイフを持っていた
「答えろっ!」
後ろのソファーにナイフが刺さる
こわい…
殺されるの…?
「ちがうの…あの人が食事を一緒にしなきゃ…殺すって…」
ごめんなさい…
命には変えられない
今だけでも嘘をついて逃げるから…
「なんだと…クズ野郎だな…わかった、後で殺しておくよ」
!!
「待って!…大丈夫…私がちゃんと言っとくから…ハッキリ近づかないでって言えば分かってくれる人だから…」
彼を殺されるなんて…
考えたくもない…
今日初めてデートしたけど
大好き
私の大好きな彼よ
「まさか…惚れたのか?」
私は首を振る
「なら殺してもいいだろ?」
ダメよ…
ダメっ
絶対
「ダメっ!!」
しまった
「お前!やっぱり惚れたんだな?俺が居るのに許さない…」
ストーカーは私の携帯で彼に電話をかける
*
20分後
汗だくの彼が家に入ってきた
「華子さん!」
後ろ手に縛られている私
ナイフを持っているストーカー
彼は顔を真っ赤にし怒った
「貴様!華子さんに何をした!」
ストーカーはまだ何もと答える
「まだ!?まだと言う事はこれからするつもりなんだな?」
彼は台所から包丁を取り出した