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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈ホールドアップ!!〉-6

「ッ!!!!」


専務はデスクの上の書類を掴むと、それを春奈の顔面に投げつけた。
ヒラヒラと舞い落ちる書類に、春奈の視界は遮られてしまった。


「無駄な抵抗は…ッ!?」


ドンッ!!と胸に強烈な衝撃を受け、それを受け流そうと身体を回転させた。
しかし、不用意に踏んでいた書類に足を取られ、回転どころか踏ん張りすら利かない。
背中に衝撃を受けた時、春奈は自分が倒された事を知った………。





『お、俺ごと押し潰せぇ!!早くしろおぉッ!!!』

『おい、そこに手錠落ちてるぞ!!持ってこい!!』

「あ"あ"ぁ"!!離…しなさいッ!!……き…喜多川…先輩…ッ!!!」


苦し紛れの数発の発砲は無情にも天井を撃ち抜き、残弾を撃ち尽くしても人差し指は引き金を引き続ける……能力を使い果たした拳銃を握りしめた手に、奪われた手錠が掛けられた……。


『クックック……クハハハハアッ!!ざまあみろ、クソ女あぁッ!!!』


両手に手錠を掛けられ、数人の部下達に床に押さえ付けられている春奈に、専務は罵声のような笑い声を浴びせた。

一度は敗北を覚悟した専務……それを逆転出来たのだから、その喜びも一入(ひとしお)だ。


「ま、まだ終わってないぃッ!!私が…私が貴方達をブタ箱に入れてやるんだから!!!」


手錠の鎖を踏まれ、両足を掴まれ、もう春奈には戦う術は無い。

専務は最初は春奈を嘗めていた。
そして、その油断が窮地を招いた。
春奈もまた、専務にのみ注意を払い、部下達を嘗めていた。
そして最後の最後に詰めを誤り、相手は観念したのだと油断した事で、返り討ちにあってしまった。


『オイ、このお嬢様を貨物船までお連れするぞ。コイツら自慢の古臭いパトカーでな』

「離しなさいぃッ!!…ああッ!!ああぁ!!!」

『もうお前は終わりなんだよぉ。暴れんなっての』


春奈は手足を掴まれ、ブラブラとぶら下げられながら覆面パトカーまで連れていかれた。
専務は春奈の持っていた拳銃を拾い、自分が持っていた拳銃から弾を抜き取ろうと、回転弾倉をスライドさせた。

春奈の言う通り、拳銃の中は塩噛みを起こしており、その作動は渋く、弾も直ぐには抜け落ちない。
コンコンとデスクに叩いて散らばり落ちる弾を拾い、そして新しい拳銃に装填した。
勿論、残りの獲物を狩る為だ。

まだ床で呻いている負傷した部下達を置いて、専務は事務所から駆け出し、トランクに春奈を押し込んだパトカーに向かう。
グラグラと左右に揺れているのは、春奈が必死に抵抗している証だ。



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