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【青春 恋愛小説】

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Thanks to..親友-3

「真帆ちゃんてどこに住んでるの??」

『海の方です』

「まじ??俺海超好き。行こぉーよ!!海!!」

『行きません。』

「…………。」

『…………。』

「ねぇ??真帆って呼んでもいい??」

いきなりの質問にびっくりしてつい立ち止まり春日部先輩の方を向いてしまった。

『別に…』

また歩きだす私。

「俺さ、下心とかほんとになくてただ真帆と仲良くなりたいだけなんだよね。先輩としていろいろ話聞いてあげたり勉強もある程度なら教えてあげられるし。」

ふとそう言った春日部先輩を見上げるとすごく優しい目をしていた。

『…私じゃなくても後輩ならいくらでもいるじゃないですか。』

「そうだけど。俺が見てきた後輩の中で真帆が一番寂しそうな目してた。」

…え??

『別に…私寂しくなんか…』

「表面的にはそうだろうね。真帆は友達にも先生にも恵まれてて皆に愛されてる。皆と一緒にいる時の真帆の目は誰よりも真っ直ぐで誰よりも輝いてて優しさもちゃんと持ってる。でも一人になった時、例えば朝早く屋上で空を見ながら歌を歌ってる真帆の目は誰よりも冷たくて誰よりも寂しそうな目をしてる。」

なんで?!なんで私が毎朝早く来て屋上に行ってること知ってるの?!麗花にも苺にも話たことないのに。

そんな驚きを隠せなくて私の目は泳いでしまった。

「あはは。ほんとにわりやすい目。」
と先輩はケラケラ笑ってる。

『だって…』

「俺も毎朝屋上行ってるんだ。中学入学してからずっと。それが俺が中2のある朝さ、いつもよりちょっと早く来たのに先客いるんだもん。まじビビった。」

『先輩も毎朝…??』

「おぅ。」

『今でも??』

「まぁね。」

『ってことはあの歌…』

「毎朝聞いてる。」

空いた口が塞がらないってこのことを言うの??

「でっかい目」
と先輩は声を出して笑ってる。

『毎朝…』

「歌上手いんだね。俺あの歌知らないけどすっごい綺麗な歌だよね。」

その言葉でハッとした。
そして一気に恥ずかしさが込みあげてくる。
あの歌を私以外知っている人は一人もいない。あれは他でもない私が作った歌なんだ。

「俺はね、あの冷たい目の理由を知りたい。普段はあんなに暖かい目をしてる真帆がどうして??って感じ。」

『理由なんて…』

「ないわけないでしょ??別に直で話せなんて言わねーよ。ただ辛い時は俺に当たれば良いし泣きたい時はいつだって泣いて良い。一人で泣くより一人で物に当たるより二人の方が心強いんじゃね??俺のことは都合よく使ってくれれば良いし。俺は少しでも真帆の役に立ちたいだけだから。」

すごい。真っ直ぐな目してる…。なんか…負けそう…。


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