止んだ喧噪-9
便が通過するたびに麻衣の尻穴は押し広げられ、そして収縮を繰り返す。
「いやぁ～」
どんなに頑張っても自分の力では出せなかった便が簡単に滑り出てくる。
自動的に便が排出されるような感覚に麻衣は戸惑いと解放感を覚えていた。
「はぁはぁ…」
個室の中で麻衣は息を切らしていた。
自分の出したものが気になり、便器の底を覗き込んだ。
黒く硬い塊が積みあがり、岩山を形成していた。
大量の便魂は便器の底水に収まり切れず、島のようにせりあがっている。
島の岩石は不気味に黒光りしていた。
臭いが酷い。
「ごほっ！ごほっ…」
麻衣は自分の便臭でむせこんだ。
「そういえば、看護師さん、これを見るって言ってなかった？」
麻衣は自分の顔が熱く紅潮するのを感じた。
また排泄感が襲ってくる。
「うぅ～！」
麻衣を苦しめ病院送りにしたガスが大量に吐き出される。
ブブブブーッ！！
こんどは、奥でつかえていた軟便が大量に出てきた。
ニチニチニチ…
「いやぁ～」
止まらない便の排出に、麻衣は泣きごとのような声を出す。
歯みがきチューブから絞り出されるように茶色の便が便器に落ちていく。
長い便は尻から途切れることなく黒い岩石の上からとぐろを巻く。
「いやぁ～、止まらない…」
ドサッ！
鈍い音がしてやっと長い便が落ちた。
「はぁはぁ…」
まるで運動している時のように息をつく。
お腹がゴロゴロと鳴り、またしてもガスが噴出される。
ブブッ！ブーッ！
次から次に便とガスが出てきて、いつまで経ってもトイレから出られそうになかった。
しかし、麻衣はそれでも良いと思った。