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女子大生 成宮恵理
【女性向け 官能小説】

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女子大生 成宮恵理-9

いつの間にか映画はエンドロールに入っていた。

隣で悠一郎が「んあー」と言いながら身体を伸ばす。


「なーんかよく意図が分からない映画だったなぁ。恵理面白かった?」


「え?ん〜私もよく分からなかったかも……。」


よく分からないもなにも殆ど見ていなかったから。

恵理がずっと見てたのは悠一郎の横顔。ホントにあっという間の時間だった。

悠一郎がソファから立ち上がって部屋の明かりを点ける。

蛍光灯の光に、眩しそうに目を細めながら悠一郎の後ろ姿を見上げる恵理。

やっぱり背が高い。丈が足りてなくても元彼のジャージがぱっつんぱっつんだ。

好きなタイプは高身長の人、なんて事はないけれど、好きな人の背が高いならそれはそれで1つの魅力になる事は間違いない。


「雨、まだ止んでないみたいだな。」


悠一郎は窓の外を眺めてそう呟いた。


「うん。」


雨だけではなく風もまだ強い。

これでは悠一郎はまだ外には出られないだろう。


「もうちょっと居てもいい?」


「……別にいいけど。」


時計の針は10時を指している。

12時までに雨が弱まったらその時に帰ってもらえばいい。

もし12時を過ぎても雨が強かったら、その時は可哀想だけど無理やりにでも部屋から出ていってもらわないと。

さすがにそれ以上は奈々に悪い気がするから。いくら悠一郎が気にしなくていいって言ってもけじめは付けないと。



「じゃあさ、これ2人で飲んじゃうか。映画は終わったしやる事ないし、飲むしかないな。」


悠一郎はテーブルの上にまだ残っていたお酒を見てそう言った。


「え?これ全部?」


2人で飲むには結構な量だ。

恵理は缶チューハイを1本空けただけだが、それだけもすでに随分とアルコールが回ってる感覚がある。


「ゆっくり飲んでいこうぜ、話でもしながらさ。」


「話?」


「ほら、なんか恵理と話すの久しぶりじゃん?」


「……そうだけど……。」


悠一郎は笑顔で缶チューハイを恵理に渡してきた。


「私、あんまり飲めないよ。」


気が進まないような表情で恵理は缶を受け取ったが、内心では悠一郎が話をしたいと言ってきた事が嬉しかった。



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