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女子大生 成宮恵理
【女性向け 官能小説】

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女子大生 成宮恵理-30

「とりあえずここに座って、落ち着けって、な?」


「……うん。」


悠一郎は床の上で泣き続けていた恵理をソファに座られて、自分もその横に座った。

そして俯いている恵理の肩に手を回してこう言葉を続けた。


「まぁなんだ、その、あれだ。恵理がそんな責任感じることないって。」


「……でも……」


「誘ったのは俺の方だし。」


「でも、私、こんな事したら奈々が傷つくって分かってたのに……どうしよう。」


「まぁ、それはさ……うーん……」


強い自己嫌悪に陥っている恵理を見て、困った様子の悠一郎。


「とにかく、俺が悪いんだからさ、恵理はそんな気にするなよ、な?」


「気にするなって……そんなの無理だよ、奈々は……友達なのに……。」


真っ赤な目に再び涙を浮かべる恵理。

悠一郎は何を言っても自分を責め続ける恵理の横で、まいったなと言った感じで頭を掻きながらばつの悪そうな表情を浮かべていた。


「なぁ恵理、昨日はお互い酔ってたんだしさ、な?ある意味仕方ないっつーか。」


困り果てた悠一郎が苦し紛れに放ったその言葉に恵理は思わず顔を上げた。

酔ってた∞仕方ない

どうやったって恵理の頭の中に引っかかってしまう悠一郎のその軽い言葉。


「……なにそれ……。」


恵理は涙で濡れた目を悠一郎に向けた。

もちろんそれは、穏やかな視線ではない。


「あ、いやそうじゃなくて……」


部屋の中に一気に気まずい雰囲気が流れる。

しかしそこでそんな空気が一気に断ち切られるような出来事が起きた。

突然ピーンポーンという部屋の呼び出し音が鳴ったのだ。


「え?」


「誰?」


少し驚いたような表情で顔を見合わせる2人。


「……分かんないけど、誰だろう。」


するとドアの向こうから声が。


「恵理ぃ!いる〜?」


奈々の声だ。


「えっ!?奈々?どうして。」


「うわっ!マジかよ!」


慌てふためく2人。

確か奈々は数日間実家に帰ると言っていたはずなのに。


「どうしよう……」


今この部屋の状況を奈々に見られたら、何も言い訳できない。

テーブルの上に並べられたお酒の空き缶、脱ぎ散らかされた衣服、使用済みコンドームの袋、部屋に微妙に漂っている男女の匂い。

そしてパンツ一枚の悠一郎と、髪が濡れたままの恵理。


「やっべぇな……とりあえず裸はまずいよな、俺の服、あれ服どこいった?ここか」


「どうしよう……どうしよう……」


パニックになっている恵理はその言葉を繰り返すだけで、ただその場に立ち尽くしてしまっている。

悠一郎は慌てて服を着ると、何かを探すように部屋を見渡した。


「とりあえず俺は隠れるわ。」


クローゼットの方を指さし、そう言い放った悠一郎。

もちろんその表情に余裕はない。


「隠れるって、そんな事言われても……私どうしたら。」


「とにかく奈々を部屋に入れないようにして、あっ、ていうか居留守すればいいのか。」


そう、ただその場で黙ってさえいれば奈々は恵理が居ないと思って自分の部屋へ去っていくだろう。

しかし次の瞬間、その居留守作戦は簡単に崩れてしまう。


「恵理ぃ!居ないのかなぁ……あれ、鍵開いてるじゃん。」


ガチャっという音と共に玄関のドアが開く。


「……!?」


どうして鍵が!?

思わぬ事態にさらに混乱する恵理。


……そうだ、昨日悠一郎君を部屋に入れた時……


そう、恵理は鍵を掛け忘れていたのだ。




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