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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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あたしの想い人-7

セフレという不本意な関係だったけど、意外なことにあたし達にはこのスタイルが合っていた。


塁が彼女を作る気がなかったってのが最大の要因だったからだと思う。


いつでも塁の一番でいれるなら、あたしも恋人という枠にとらわれずに済んだ。


だから、純粋に塁とのエッチも楽しめているんだと思う。


でも、そんなだらしない関係を楽しみつつも、今みたいにふとどうしようもない虚しさと不安に駆られる時がたまに訪れる。


いつか塁に好きな人ができて、あたしはこのまま捨てられるんじゃないかという不安。


あたしは、それだけが怖くてたまらなかった。


この不安が一旦つきまとうとなかなか振り払うことができず、塁の心をつなぎ止めなければと必死になる。


結果、あたしは塁にとって相当“好き者”に映るらしく、彼が望むならと、どんな恥ずかしいことでもやってるうちに、“玲香はどうしようもないスケベだな”なんて嘲笑われてしまうようになった。


塁に蔑まれたような顔を向けられる度に悔しくなる。


付き合っていた頃には決して見せなかった小馬鹿にしたような顔。


それを見せつけられる度に、コイツの呪縛から解き放たれたいって強く思う。


塁以上に好きになれる人に出会えたら、こんな関係をサッサと清算して、きっと幸せになれるのに。


そんなことを考えながら、ろくに吸いもしなかった煙草の火を消した。





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