投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

もう君に会えないの最初へ もう君に会えない 15 もう君に会えない 17 もう君に会えないの最後へ

あたしの想い人-6

最初のうちはうまくいっていたけど、元々マイナス思考のあたしは、一緒にいるときに塁の携帯が鳴ったりするだけで、塁に電話しても話し中だったりするだけで、たまらず不安になっていた。


心変わりしちゃったんじゃないかとか、女と浮気してるんじゃないかとか、悪い方向にばかり考えてしまい、日増しに塁の行動を逐一チェックするようになった。


あたしの束縛がだんだんエスカレートしていき、疑われることに疲れた塁は、とうとう別れようと言ってきた。


あたしがいくら嫌だと泣きわめいても、彼の気持ちは揺るがなかった。


塁に振られてからはしばらくはろくにご飯も食べられず、寝ても覚めても塁のことを想い泣きはらす日々。


せめて声だけでも聞きたいと、あたしは何度も塁に電話をしていた。


電話をする度、やり直したいと懇願するあたし。


とにかく塁との繋がりを断たれてしまうのを恐れるあまり、なりふり構ってられなかった。


そんなあたしに対し、ヨリを戻すのは無理だと決めていた彼が出した答えは、“セフレとしてなら会ってやる”というものだった。


セフレって言葉に抵抗はあったけど、ヨリを戻したくない彼の妥協案がそうなら、あたしはそれを受け入れるしかなかった。


心が手に入らないなら、せめて身体だけでもいい。


あたしはそれほどまでに塁のことを失いたくなかったのだ。






もう君に会えないの最初へ もう君に会えない 15 もう君に会えない 17 もう君に会えないの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前