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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈晴らすべき闇〉-7

『キツい顔した教師とか、エリートぶった女子大生でお茶を濁した方が無難だな。まあ今回は春奈も居るんだし、あまり張り切らない方がいいと思うぜ』


少し不機嫌そうな専務を置き去りに、八代は立ち上がってドアに向かうと、ドアノブを掴んだままスッと振り向いた。


『春奈の奴、隠れもしないで“チャリ”で捜査してるぜ?今回の狩りは楽勝だよ。あまり熱くなるなって』


簡単な近況報告をすると、八代は事務所を後にした。専務はじっとドアを見つめたまま、まだ熱いコーヒーを一気に飲み干し、またも顔をしかめて溜め息を吐いた。


『……偉そうによぉ。あの鼻糞野郎』


専務の頭の中では、もう春奈は捕えたも同然の獲物だった。
その辺の女子高生と変わらない身体能力した持たぬ、ひ弱なお嬢様刑事としか思ってはおらず、騙して貨物船に引き込む事さえ出来れば、あとは多勢の襲撃で沈黙させられると思っている。
物の数ではない春奈より、タムルのリクエストした生意気な牝の選定の方が、専務には重要だったのだ。
それを軽くあしらわれたのだから、面白いはずはなかった。


『クソッ……』


デスクの一点を見つめてジッと項垂れる専務に、部下達は触れないままだった。軽々しく掛ける言葉も思い浮かばなかったし、下手な接触でとばっちりを受けるのもつまらない。
忙しなく書類を整理する音以外、極めて静かな空間は、暫く続いていた……。




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