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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈晴らすべき闇〉-14

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八代は人垣に身を隠しながら、駅の構内を通り抜け、線路の向こう側にある駐車場に来ていた。
その行動をみれば、八代は春奈達の尾行に気付いていたと分かる。


『なんだよ。お前にしちゃあ偉く慌ててるなあ?』


そこには白いありふれた1BOXが止まっており、その後部座席には専務が座っていた。
外観はオーナーの金髪の男に似つかわしくない平凡な物だったが、スライドドアの向こうに広がる車内は、手の込んだ物になっていた。

ルーフを叩く雨音を遮断する為に、天井には分厚い遮音材が張り巡らされ、それを覆う黒革のシートが、舐めまかしい輝きを放っている。
勿論シートもふかふかの革張りの物だったし、後方にオフセットされたそれは、広大なスペースを生み出していた。


『呼び出して悪かった…ちょっと急ぐ用が出来たからよ』


八代がシートに身を委ねると、スライドドアは自動的に閉まった。
真っ黒なフィルムの貼られたリアガラスのおかげで、もう八代の姿は完全に消えたも同じだった。





『春奈の奴、もう勘付きやがって…煩い刑事とタッグを組んで、探りを入れてきやがるんだよ』


これが本性なのだろう。
八代は春奈達を専務顔負けに口汚く貶み、口元を醜く歪めた。
そして胸のポケットから、一枚の写真を取り出して専務へ手渡した。


『ん?……コイツは昨日来た刑事だぜ?鼻高々で生意気な面構えが堪んねえな』

『名前は喜多川景子。27才のババアだ。コイツと春奈を消さなきゃ、この先商売は出来なくなるぜ』


この八代の言葉は、専務には願ったり叶ったりだ。
多少は年がいっていようが、あれだけの美貌の持ち主なら全く文句は無く、しかもタムルのリクエストに、見事に応えてくれる逸材に違いなかった。


『景子って奴には妹が居るんだ。ソイツも纏めて消してしまえ』

『……へえ?へえ…ふぅん……こりゃイイや』


もう一枚手渡された写真には、景子に良く似た女性が写っていた。
切れ長な目と通った鼻筋は景子並みに美しく、かなり明るい栗毛色の長髪をたなびかせた姿は、その辺のグラビアアイドルより遥かに魅力的な容姿だ。



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