Dr.feelgood-12
検査の結果、田口も愛理も完全なるシロであった。所持品にも問題ない。袋入りの白い粉が出てきて一時は緊迫感に包まれたが、それを舐めた瞬間、
「…スポーツドリンクか…?」
正芳はそう言った。
「はい。いつでも飲めるよう携帯してるんです。」
田口はニコッと笑い流した。
「紛らわしい…。」
静香がそう言うと田口はやはりニコッと笑い言った。
「酷いなぁ婦警さん。」
そんな中、正芳はホッとしながらも糸口が発見できなかった事に溜め息をついた。
「悪かったね。」
「いえ。密かにマークされ続けられるのもいやなんで白黒はっきりして良かったですよ。」
「私も!ドラッグで人生ダメにするのは嫌だし♪」
「協力ありがとう。気をつけてな?」
「はい!じゃあねオネーサン♪私、疑い晴れ祝いに彼とセックスしてきますね♪」
「な…」
唖然とする静香。
「先輩、俺達セックスしたら捕まりますからダメですよ。」
「えー?そうなの??私きっとオネーサンより経験豊富だけど捕まるのかなー♪」
「何よ!?」
ムキになる静香。完全になめられていた。そんな静香をニヤニヤ見ながら2人は帰って行った。
「ったく最近の子供は!!」
「おまえだって彼らとそう離れてないだろう?」
「奴らと一緒にしないで下さい!」
静香は署内にさっさと戻って言った。
「気のせいか…」
正芳には田口がどうしても心に引っかかっていた。何か予感がした。しかし身の潔白が証明された為に深追いはできない。一応その名前を心に書き留めておくことにした。
警察署から出てきて暫くすると田口は愛理を見て笑いながら言った。
「だよねー、愛理先輩は吸ってないよねー!絶対やってないと思ったよ!」
「そーゆー田口君だって!今までスポドリ吸ってごまかしてたの!?」
「はい。だって薬中になんかなりたくないもん。先輩は?」
「私はトローチを砕いてつぶして粉状にしたやつ♪私だって薬中になんかなりたくないもん。私は吸いたい人に仲介してただけ。」
2人ともコカインを吸っているふりをしていただけであった。
「いやでも先輩のたれ込み情報があって良かったっすよ。なかったら所持品検査でパクられてましたよ。」
「田口君捕まったら色々大変な事になるからね。」
「でも待ち合わせに先輩来るとは思わなかったですよ。でも来た時点でもしや先輩もやってないんじゃないかと思いましたけどね。」
「フフフ、でも暫くは控えた方がいいよ?見張られてるかもしれないしね。」
「ですね。」
警察を騙し通せた満足感に浸る2人。
「あ〜、気分いいわね〜!だからセックスしよっか?」
「え?マジ!?」
「うん。そろそろヤラせてあげるよ。あんまりもったいぶらせるとレイプされそうだから♪じゃホテル行こうか?」
「はい!!」
この夜、田口と愛理はセックスした。愛理もまた田口のセックスに魅せられてしまった。