この女、退屈につき-1
俺の姉は、世界一ぐうたらだと思う。
朝起きたら「だるぃ〜」、勉強中に「たいくつ」、休みの日には「ひまぁ〜」、ゲームで遊んでる時も「つまんなぃ〜」
じゃぁ何をしてる時が面白いんだよ、と突っ込む時もあるが、返事は必ず「知らな〜い」だった。
でもそんな姉が、ある日突然、
「晶人〜、私ちょっと出掛けてくる〜」
「姉ちゃん何しに行くの?」
「世界征服〜」
「あそ。行ってらっしゃ……いぃぃ!?」
ぶっ壊れた。
×××
「姉ちゃん何考えてんの!? ってか大丈夫!? 姉ちゃんいつも変だけど、今日はいつにもまして変だよ!!」
「よかったじゃん。これで私も晴れて凡人の一線を越えて超人になったわけね。友達に堂々と姉自慢ができるわよ」
「できねぇよ!! っつかしたくねぇよ!!」
「はっはっは。晶人は本当にシャイねぇ」
「いや、そういう意味じゃ――――」
「安心して、晶人。私はずっとあなたの姉でいてあげるから。だから何も気にせず姉自慢してきてね。それじゃ」
「はぁ??…………ってちょっと待てぇぇ!!」
そんな俺の制止も聞かず、
姉は、(自称)世界征服に出掛けていった。
×××
「で、何するの?」
姉の愚行を黙って見過ごすわけにはいかないので、結局俺までついてくることになった。