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この女、退屈につき
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この女、退屈につき-4

「口調変わってるから。魔王並の口調に変わってるから」

「じゃ、ちゃっちゃとやりますか〜」

「姉ちゃん……もう俺ついてけない……」

「そう? だったらもう休んでていいわよ。後は私が一人でやるから」

「そうするょ…………」

そうして、電気屋で買った物品を姉の部屋に詰め込んでから、俺は消耗した体力を回復するため自室で一眠りすることにした。

「ま、家にいるなら大丈夫だろ…………」

買ったものはパソコン一つと、何に使うか全く不明なコード類、その他およそガラクタとしか言えないようなものばかり。

これなら世界征服はさすがに無理だろう。

そう思い、俺は目をつむった。

×××

「晶人〜、暇だからゲームしよ〜」

…………やっぱり。二時間も保たなかったか。

「世界征服はどうしたの?」

「つまんなかったからやめた」

姉ちゃん……

「それより早くゲーム。私暇で死んじゃうよ。それでもいいの?」

「人間はそんなことで死にません」

「甘いわね。私は兎のように繊細な心を――――」

「どこの世界に暇過ぎて死ぬ兎がいるんだよ! 兎は淋しくて死ぬの!!」

「じゃぁ今日はFFね。まだ全クリできなくて……」

「無視すんなぁ! しかもそれ一人用だから。俺できないから」

「ゲームスタートォ!」

もういいょ……勝手にしてくれ……


かくして、日々は過ぎていくのであった……





『――――つづいてのニュースです。本日午後三時頃、米国国防総省、通称ペンタゴンで、システムが何者かに乗っ取られる事件がありました。しかし犯人は何の行動も起こさず、数分後には再びシステムが復帰。危険視されていた核ミサイル発射装置にも異常はみられませんでした。
国防長官によりますと、今のところハッカーの仕業だとして調べているということで――――』
〈終〉


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