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私の愛したAn-organ
【悲恋 恋愛小説】

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私の愛したAn-organ-7

数日後
ここと暁は両親と共に雅人の墓場に足を運んでいた

二人の両親は無言のまま墓の掃除やお供えをしていた。

「・・雅人」
暁の母が息子の墓を目にし手を口にし涙ぐみ、暁の父が何を語る事も無く、彼女の肩を支えて・・。
「おばさん」
ふと、暁の母がここと目が会うと
「ここちゃん、アリガトね」
「・・っ」
「あの子に恋を教えてくれて、あの子の事、ずっと想っていてくれて・・」
「・・・」
「天国できっと貴女の幸せを願っているわ」

「はい・・」
 静かにそぅ答えるここ
 「ここ、お客様よ」
 バケツを持って墓に戻って来たここの母が知らせに来て、その横に一篠先生の姿が

 
 「いいの?ホントにこれで・・」
 場所を移し、人気の無い所で話をする二人
 「はいっ!」
 自信に満ち溢れた声でそぅ言うと
 「・・もぅ2度と、雅人クンに会えないのよ・・もぅ2度と暁クンが雅人クンとなって貴女の前に現れる事はもぅない、彼の存在は完全に消えてしまったのよ」
 あの公園での出来事の後、ここは暁と共に病院へ行き、一篠先生の元へ訪れこぅ言った
『暁の体に眠る雅人を取り除いてください』・・と。
 それを聞いて、先生も暁も驚いた、そしてその訳を聞くと

 「このままじゃ暁が危ない、そんなの嫌だもの」
 実は先生は雅人の臓器が暁の体にあり続けると彼に障害が出来る危険性がある事実を彼女に話した事があって
 「なんだよっ!ここ、兄貴に会いたいんじゃ・・」
 「勿論・・彼には会いたい、会ってまた話がしたい・・でもそれは雅人であって雅人じゃない、姿はどぅ見たって暁そのもの・・」
「・・ここ」
 「何よりも嫌だもの、それでそのせいで暁が危険な目にあうなんて」
 「俺は別に・・」
 「バスケ、出来なくなるかもしれないのよ」

 「そりゃー」
 「そんな事になったら雅人に恨まれちゃうし」
 軽く微笑みながら申すここ
 そんなここの話を聞いた先生は静かに彼女の要望を受け入れ

 「・・雅人」
 彼の見守って居るであろう、青空を見上げる・・
 「ここぉー、いくぞー」
 遠くからここの父が彼女を呼び
 「はーーーいっ」
 そして先生にお辞儀をし父の元へ走って行った、その後ろ姿がどこか大きく見えた
 
 
 ここ・・いつまでも幸せで居てくれ、僕は君の笑って居る顔が大好きなんだから


                おしまい


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