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曼珠沙華
【SM 官能小説】

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(後編)-9

妻が死んでからも妻は私の中にずっと生き続けていました。妻という女性を深く、広く、受け
入れてあげられなかったというのに、私にとっては妻の記憶だけに呪縛されて生きることが
すべてだったのです。それは何か見えないものを虚しく追い続けることの意味でしかありませ
んでした。

でも、あなたと出会ったことで、私と妻はまるで一本の蜘蛛の糸でふたたびつながり、私は
妻とともに生きてきた「生」の意味をもう一度抱き寄せることができたような気がします。
おそらくあの公園の曼珠沙華の花があなたを私に導き、あなたを通して妻と会わせてくれたの
だと思っています。


曼珠沙華の花言葉は「悲しい思い出」… でも、もうひとつの意味は「再会」…

今こうして目の前の曼珠沙華の花を眺めるとき、私はこの花によってかけがえのない妻と再会
することができたのです。そして、私がいずれ死に至ったとしても、私と妻とは永遠に結ばれ
生き続けられる「生」の意味を与えられたような気がします。


長い話になりました。私の手紙を読んでくれてありがとう。そして私の中に生き続ける愛する
妻にふたたび会わせてもらったあなたに深く感謝いたします…。


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