バカは死ななきゃ治らない 〜side芽衣子〜-3
このパターンに陥らないよう、茂があたしを抱こうとしたらきっぱり拒む勢いで毎回臨んでいる。
だけど、普段あたしが仕事で疲れて断るとあっさり引き下がる茂と違い、あたしに手を上げた後の茂は、あたしがどんなに嫌がっても絶対に怯まない。
身体を満たしてやれば、万事OKとでも思っているのだろう。
抵抗しても力でかなうわけもなく、最初こそ無理矢理抱かれてしまうけど、そんな時に限って茂は執拗にあたしを求めてくる。
そうなると、次第にあたしも快楽の波に呑まれて、自ら脚を開くようなバカな真似をしてしまうのだ。
何度も身体を重ねてきたから、どこに触れればあたしが悦んで、どうすればあたしが上り詰めるのか、茂は全て知っている。
どんな形で繋がるのが好きか、どんな言葉を浴びせればあたしに火がつくかも全て知っている。
さっきだってそう、コイツはあたしの身体の芯を疼かせるような言葉を投げかけながら、長い指と熱い舌であたしの弱点を執拗に攻め立ててきた。
そしてあたしは何度か頭を真っ白にさせられてしまった。
上り詰めて激しく息の上がるあたしに、茂は“満足した?”なんて不敵に笑うもんだから、あたしはその冷たくも見える笑顔に目眩を覚えつつも、改めて思い知らされるのだ。
ムカつくけど、やっぱり好きなんだ、と。
そして彼があたしの好きな形で中に入ってくると、あたしは普段の自分じゃ出せないような声をあげ続け、何度も茂の名前を呼んで、いいように翻弄させられてしまう。