バカは死ななきゃ治らない 〜side芽衣子〜-2
今日は平手打ち一発で済んだから、まだマシな方だった。
茂ときたら、性懲りもなくいろんなとこから浮気相手を調達してくるもんだから、呆れるを通り越して笑えてくる。
今日の相手は、人数合わせの合コンで知り合った女らしい。
毎度毎度のことでいい加減愛想を尽かしかけてる反面、茂が他の女とシてる所を想像すると、身体中の血が煮えたぎるような感覚に陥り、気が狂いそうになる。
あたしが浮気を問い詰め、ブチ切れると茂が謝る。
けれど許せないあたしは勢いだけで別れると喚き、今度は茂が逆ギレしてあたしに手を上げる。
このパターンをバカみたいに繰り返すあたし達は、ホントに成長できないなあって思う。
茂に殴られ泣いてしまえば、さすがに反省するのか猫なで声で謝ってくる。
そうしてあたしの身体に手を伸ばし……今みたいな状態に至るわけだ。
はあ、と小さくため息を吐いて、あたしはテーブルに頬杖をついて、暗がりに浮かぶ茂の顔を見つめていた。