あの時のアレ 〜side久留米〜-12
「く、久留米くん、ダメだって……!」
ようやくオレのキスから解放された芽衣子は、オレから逃げるように身体を捻らせそう言った。
オレがそんな芽衣子の顔をじっと見つめると、彼女は気まずそうに目を逸らした。
「やっぱりオレじゃ嫌か?」
「そういうわけじゃないけど……久留米くんは大事な友達だし……」
「でも、オレだって男だぞ?
どっかのわけわかんない男と浮気するくらいならオレでいいだろ」
そう言って、芽衣子の背中に右手を伸ばしブラのホックを外した。
彼女は短く悲鳴を上げたが、さらにそれをまた唇で塞ぎ、芽衣子の温かくて柔らかい胸に手を伸ばした。
はっきり嫌だと言われてないならこのまま押しの一手で突き通してやることに決めた。
酔っ払った芽衣子に強引に迫るなんて、自分の卑怯さに嫌気がさしてくるが、もはやこの時のオレは自分をコントロールできなくなっていた。
芽衣子の首筋に唇を這わせて行くと、ピクリと彼女の身体が跳ねた。
さらに、ゆっくり焦らすように身体のあちこちにキスを注いでいくと、次第に芽衣子の抵抗も形だけのものとなり、代わりに甘い嬌声が漏れ始めてきた。
そして彼女は、少し荒くなった呼吸の合間にオレの名前を呼んで、ついにこう言った。
「久留米くん……電気消して……」
彼女の言葉に小さく頷くと、すぐさま身体を起こし電気の紐を引っ張って豆電球だけの状態にした。
それから芽衣子の身体を抱きかかえ、ベッドに降ろしてから、ゆっくり彼女の残りの服を脱がせ始めた。