青いバケツ-2
ポンプのジャバラは押し潰され、容器に入っていた大量の薬液はすべて祐梨の腸内に移し替えられた。
「はい。お薬入れ終わりましたよ。これから抜きますからね」
恵子は祐梨の様子を観察しながらチューブを引き抜きにかかった。
肛門からチューブが長々と抜き出される。
祐梨が背けていた顔をよじり始めた。
その様子を見た恵子と聡美が目を合わせた。
尻穴から引き抜かれるチューブの滑る快感が祐梨を襲ったことに気が付いたからである。
祐梨は先ほど味わった麻薬の甘味に再び酔っていることに混乱した。
これは浣腸治療という立派な医療行為だからである。
埋没していたチューブが再びヌメヌメと姿を現した。
肛門からチューブの先端が出る。
その瞬間、チューブから発された卑猥な音が医務室内に響き渡った。
ピチュッ!
それを聞いて祐梨の顔が赤らんだ。
チューブには直腸の奥で拾ってきた茶色の便が付着していた。
恐る恐る目を開けてそれを見た祐梨は思わず顔を覆った。
「イヤッ!」
恵子はちぎった脱脂綿で祐梨の肛門を押さえた。
「聡美、足を下ろしていいわよ」
ゆっくりと祐梨の足が下ろされオムツ替えの姿勢は解かれた。
「祐梨さん、これからガマンよ。この浣腸はものすごく効いてくるから」
「はい…」
祐梨は簡単に返事をしたが、まだその苦しみを分かっていなかった。
「聡美、代わってくれる?」
恵子は肛門を押さえる役目を聡美に引き継ぎ、用具の後片付けに立った。
聡美は仰向けに寝た祐梨の股から手を入れ、下に潜む肛門を脱脂綿で圧迫した。
そして丸椅子に座り、顔を覆う祐梨の手を外した。
「どう?祐梨。お腹どんな感じ?」
「うん。まだ大丈夫です。ぜんぜん平気」
一週間近く腸の中で滞留した便は大量の浣腸液を持ってしてもそう簡単に崩せないものかもしれない。
祐梨はそう思った。