金髪女-9
「はああああああん」
沙夜子は、その恐ろしいまでの容積を体内に受け入れると同時に、背筋を反り返らせて天を仰ぎ、地の底から湧き上がるような、何とも厭らしいよがり声を発した。
一方、デーンは最後の最後まで挿入を果たすと、先ほどまでの狂ったようなファックが静まり、小刻みに体躯を痙攣させながら恍惚とした表情で、だらしなく開いた口から涎を溢れさせている。
「あっ、あああっ……いっ、いい? 真奈美ちゃん……ここ……ここからよ……ここからが良いのよぉ!」
沙夜子は息も絶え絶えに喘ぎながらも、真奈美の顔を覗き見ながら行為の様子を実況する。
「ほら、ほら。 ね、ここ、分かるでしょ? あたしのお腹、ヒクヒク動いてるでしょ……!」
「う……うん……」
まるで催眠術に掛かったように、力なく相づちを打つ真奈美。 本人は自覚していないようだが、彼女は大っぴらにオナニーを始めていた。
その姿を確認した沙夜子は、まるで悪事を思いついた犯罪者のような淫猥で満足げな笑みを浮かべた。
「いいわあ、真奈美ちゃん。私たちのヤッてるところを見て、オナニーしてくれるなんて……最高よ……あっ、ああっ、ああああ……」
「おっ、お姉さん……? 沙夜子姉さんっ?」
心配する真奈美を尻目に、沙夜子は幾度と無く押し寄せる高まりの波に、程なく絶頂を迎えた。
「あっ、あっ、あっ、イクっ、イクイクイクぅ……イックウーッ」
(あんなに激しくもがき苦しんで……沙夜子さんの体、ビクンビクンと波打ってる……でも、どうして……何て幸せそうな顔をしているのかしら)
真奈美は、まだブラジャーを着けるには幼すぎる胸を優しく揉みしだき、同じく申し訳程度に産毛の生えた未熟な秘貝のあわいをなぞる様に指を滑らせ、跪いたまま前のめりの姿勢のまま、二人の成り行きを見守った。
やがて、デーンは沙夜子を締め上げていた固い抱擁を解いて、彼女を解放した。
沙夜子は、一瞬上半身をぐったりさせたものの、再び両腕を地面に突っ張らせ、ハアハアと胸で大きく呼吸を乱しながらも、再び体勢を立て直した。
デーンは沙夜子から上体を放すと、ペニスはしっかり突き立てたまま、片足を跳ね上げ、ぐるりと彼女の腰をまたぎ越した。
丁度、お互い四つん這いになったまま、お尻同士が向かい合わさった体勢となった。
(あ、この格好は、この前早朝の公園で見たのと同じ……)
真奈美は、初めて二人の交尾を見せつけられた時の事を思い出していた。
「真奈美ちゃん、今ね、あたしのお腹の中でデーンのおちんぽ、暴れてるの……ビクンビクンって、ほら、おへその上で脈打ってるの分かるでしょう?」
「う……うん……わかる」
お互い背中合わせで四つん這いの体勢だ。デーンがペニスをビクンと硬直させると、沙夜子を内部から圧迫して、へその辺りの腹部がぽこりと隆起するのだ。
「おちんぽがね、ビュクンって脈打つ度にね、あたしの中へ精子を吐き出してるのよ」
「えっ……せいし?」
「そう、しかもずっとよ! 20分から30分くらい、ずっとこうやって出し続けるの。ドピュッ、ドピュッてね」
そういえば、沙夜子の下腹部が先ほどより少し膨らんだように見える。
真奈美は、体内に注入された精液が臓器に染み込むと、臓器ごと別の生き物へと変貌し、やがて腹を食い破って出てくるのではないかと、とんでもない想像が本当の事のように思えて心配になってくる。
「だっ……大丈夫ですかっ! お、お腹が膨れてきてます! お腹が破けちゃう前に、吐き出したほうがっ!」
沙夜子の体が心配で居ても立ってもいられなくなった真奈美は、切実なまでに訴えかけた。
「うふふっ、大丈夫よ。出された精子はみんな子宮の中に溜まってるわ。子宮が膨れているだけよ……」
幸せに酔いしれた顔を真奈美に向けて平然と言ってのける沙夜子に、真奈美は心配すべきか安心してよいのか分からず、かける言葉が見つからなかった。
手をこまねいて見守るだけしかできず、ただいたずらに時間のみが流れていく。
やがてデーンからは恍惚の表情が解け、鼻息も荒々しさを失い、徐々に冷静さを取り戻しつつあった。
一方の沙夜子は、さらに下腹部が膨張し、全身びっしょりと汗で濡れそぼり、肩で息をしながら見るも苦しげな表情を見せていた。
彼女が着けている黒皮のハーフコートも汗を吸い込み、ほんのりと動物園の畜舎を想起させる生臭い匂いを放っていた。
(さ……沙夜子姉さん、もう何回か気を失いかけてる……こんな死ぬほど苦しい思いをしながら、なんで嬉しそうな顔ができるの……)
もう、見るのも耐えられない! そう思った瞬間、ギュボンと栓が抜けるかのような音と共に、デーンの怒張がずるりと抜けて飛び出し、続いて沙夜子の股間からは勢いよく噴水が迸り、周囲に飛び散った。
「ひゃあ!」
真奈美は突然の出来事に、とうとう沙夜子のあそこが破れたのだと勘違いして、恐怖でその場に尻餅をついた。
逃げようとするも足に力が入らず、腕の力だけで後ずさりしようと必死にもがいた。
「はああああッ、あっ、あっ、あっ! あああー……」
沙夜子は再び襲い来る絶頂の波に飲み込まれ、体を硬直させたままその場に突っ伏した。
彼女の双臀はビクンビクンと不規則に痙攣し、だらしなく花弁を広げて呆然と口を開けた秘貝からは、間欠的にピュッピュッと半透明の潮が噴き出していた。