金髪女-7
そして数分後――
膝つき立ちで背筋を伸ばした状態の沙夜子。そうした体勢にしないと顔を近づけ合う事が出来ないくらい上背のある、巨岩のようなグレートデーン。
二人は、お互いの舌をからめ合い、舐め合い、唾液を交換し合ったりと、濃厚なキスシーンを真奈美に見せつけている。
「真奈美ちゃん、どお? グレートデーン、大きいでしょう? 私の首、彼の開けた口の中にすっぽり収まりそうなくらいよ!」
沙夜子は、大きく開かれたグレートデーンの口に顔を交差させ、彼の長くて赤黒く厚ぼったい唇を、赤紫色の歯ぐきを、鋭く尖った犬歯を、彼女の
柔らかな唇と舌を這わせて愛撫する。
彼もお返しとばかりに特大のステーキのような分厚い舌で、彼女のうなじや胸元、そして耳や頬を、べしょべしょと舐めあげた。
唾液の飛沫や湯気が立ち上りそうな熱い吐息を吹き溢しつつ、濃厚な接吻を繰り返しては、その合間に鋭い凶器のような犬歯を彼女の首筋に突き立て、甘噛みを加える。
園内の遊歩道の外れの繁みの中で、二人は怪しげで淫らな背徳の行為に耽り、沙夜子はその様子を実況しながら、真奈美にレクチャーを始めた。
「真奈美ちゃん、これがディープキッスって言うのよ。舌と舌をからませて……あなたの世代だったら”べろちゅー”って言ったほうがわかり易いのかしら……?」
二匹のキスは交互に繰り返され、沙夜子の顔や首、胸元には二人の唾液が混じり合い、滴り伝う。
夜の暗い公園を背景に、沙夜子の露出した白い肌と濡れ伝う唾液は、青白い外灯に照らし出され、幻想的で淫猥な姿態を浮き上がらせていた。
沙夜子は黒のハーフコートの前をはだけて、胸や股間を彼に舐めさせ始めた。
露わになった、はちきれんばかりの乳房。ピンと突き出した乳首。贅肉の無い滑らかでくびれた腰回り……
真奈美は、沙夜子の恐ろしいまでの素晴らしいプロポーションに驚き、思わずゴクリと生唾を飲み込んだ。
「ああーん、いいわあ、デーン! そこをもっとよ」
熱病に浮かされたように、沙夜子は恍惚の表情で目を細めながら、犬の名を呼んだ。
「あ、真奈美ちゃん。この子の名前、デーンっていうの。グレートデーンのデーンよ!」
外灯の光がデーンの逞しい体を照らし、明暗を浮き立たせている。そのおかげで、筋肉の盛り上がりや筋がことさらに強調され、まるで重機のような威圧感が増している。
デーンの首は、今や沙夜子の股間にまで達し、その舌を、まるで軟体動物のようにうねらせながら恥部の谷間へと滑り込ませていく。
そして荒々しい吐息を吹きかけながら、その鼻先や舌でえぐるように沙夜子の左右の秘貝をこじ開け、肉厚の陰唇を穿り出していく。
たまらず沙夜子は両手でデーンの首を股間に押しつけたまま、大きく反り返って頭を地面に打ち付けた。
「はああーん、そこっ、そこなのっ! そこよっ!」
沙夜子はデーンに局部を責めさせたまま、ブリッジの姿勢で体の方向を180度回転させると、デーンの下へ潜り込んだ。
そして、沙夜子もまたデーンの股間へ顔を埋め、何の躊躇も無く幾分膨張し始めた肉棒をおもむろに口に咥え、しゃぶり始めた。
ジュルジュルと卑猥な音を立て、沙夜子の頬が周期的に窪んでは元に戻る。彼女は実に美味そうにデーンの陰茎を吸い、しゃぶり立てる。
程なく彼女の喉元が膨らみ始め、飲み込んでいるのも辛いほど唇が広がってきた。
沙夜子は横目で真奈美を見ながら、ゆっくりとデーンのペニスを引き抜いていく。
縮れた糸のような毛細血管とミミズが這い回るような動脈を浮き出させて、唾液にまみれた赤黒い肉塊が、まるで鞘から引き抜かれる刀のように
ずろろと音を立てて吐き出された。
「真奈美、見て! ほらこんなに……太く、長くなって……」
沙夜子は、興奮してそわそわと落ち着きを無くしたデーンのペニスを手でしごきながら、真奈美によく見えるようにと近くへ手招いた。
「いやっ、なんか、怖い……」
真奈美は両手で口元を押さえながら、恐る恐る顔を近づけた。
すると沙夜子は、おもむろに再び口に含み、今度はゆっくりと出し入れを始めた。
初めは、それまで毛皮に隠れてほんの少しだけピンクの先端を覗かせていたデーンのペニスは、今や何倍にも膨張している。
コブラのように禍々しい鎌首をもたげて毛皮の鞘から飛び出した姿は、真奈美の目にはまるでエイリアンのように映った。
「さあ真奈美。触ってごらんなさい……これが犬のペニスよ!」
沙夜子は真奈美の手首を掴んで、手のひらをデーンのペニスに導いた。
「ひゃあっ……」
手のひらに太くて固いデーンの怒張が触れた。
沙夜子は真奈美の手の甲に自分の手のひらをあてがい、その怒張と一緒に力強く握りしめた。
「わあ! いやああ……」
予期しなかった沙夜子の行動に動転して、真奈美はペニスを握りしめたまま頭が真っ白になってしまった。
だが意に反して意識が集中してしまう手のひらの中では、ドクンドクンと力強く響く肉棒が脈打ち、まるで煮え滾った情欲の塊が脈動しているかのように感じられた。
「う、冷たい……!」
何かがうなじにしたたり落ちた。ふと上を仰ぎ見ると、デーンの涎が真奈美の頭にダラダラと糸を引きながら落ちていた。
彼は真奈美を見下ろすように鋭い目線を投げかけ、ハフハフと興奮気味に荒く息を吹きかける。
「そろそろね……真奈美、ちゃんと見ててね。」
沙夜子はそう言うと、デーンの眼前で四つ這いになり、お尻を突き出して見せた。