金髪女-3
ところが少女にあと一歩まで迫ったところで、犬の動きが止まった。
一緒に引っ張られてきた金髪女が植え込みのツツジの枝に絡まり、そこで引っかかってしまったのだ。
「あん、ベルぅ! そんなに引っ張っちゃダメッ……中身が出ちゃうっ」
金髪女は、喘ぎながら上擦るように声を震わせた。
ベルと呼ばれたドーベルマンは、激しく口で息を吐きながら、恍惚の表情で何条かのヨダレの糸を垂らしている。
肋骨が大きく収縮と拡張を繰り返し、その度に隆々とした体中の筋肉が躍動する。
「えっ、ええっ! そ……そんな!」
少ない知識をかき集めてパズルのように組み合わせれば、かろうじて想像し得る範疇にあったとはいえ、現実に有り得るとは想像さえしたことも無かった。
しかし、今まさに目の前で展開されている光景は、その禁断の行為そのものだった。
(こっ、この人、犬と……ドーベルマンと、繋がってる!?)
「あはあっ、ベル! この子、すっごいコーフンしてるッ! 大きいっ、中で、ますます膨らんでるわっ!」
金髪女は、ハーフコートがはだけて露わになった下腹部を掌で押さえるようにして腰をくねらせている。
よく見ると、へその下あたりでコブのような出っ張りが現れたり消えたりしている。しかもコブの位置が少しずつ移動し、一つ所に収まってはいない。
その動きから、何か大きくて長い棒状のものが女の下腹の中でビュクビュクと脈打っているのだと容易に想像できた。
「あっ……ああああっ! 始まったわ……ビュクン、ビュクンって。 中に出てるわ……」
前をはだけたハーフコートから、ほんのりと上気した汗びっしょりの濡れた肌が露わになる。
焦点の定まらなくなった瞳を潤ませ、赤く染まった唇をぷっくりと突き出すように尖らせ、蜜のように蕩けた唾液を滴らせる。
女は恍惚の表情を浮かべて、体内の奥深い所まで沈められた犬の生殖器官が伸縮しながらドクリドクリと波打つ様を、全身でしっかりと味わった。
一方、ドーベルマンは黒く艶々とした体毛に包まれた全身の筋肉をモコリモコリと波打たせながら、
その漲る力を上腕から胸筋へ、そして下腹部へと伝え、脈動を繰り返している。
その動きはまるで、熱く焼ける精の塊を股間へと充填し、それから女の股間に撃ち込んだ太い注射器を通して、一気に彼女の体内へ流し込むかのようだ。
そしてその行為は、至福の快楽で喜びに満ちたドーベルマンの顔をだらしなく緩ませ、涎の糸は途切れる事無くダラダラと滴り落ちた。
二匹はお互いの尻をくっつけ合い、息切れしそうなくらい激しく呼吸を乱している。
まるで繋がって一体となった塊のように、時々同時にビクンと体を震わせ、同じ刺激、同じ快楽を共有しているように見えた。
少女は、その禁断の行為に罪悪感と得体の知れない恐怖を感じて、一刻も早くその場から逃げ出したかった。
「ねえっ、あなた、ちゃんと見ててね……私たちを……。 私たちの行為を……!」
女は、汗にまみれた額や頬に、乱れたショートボブの髪を張り付かせ、背筋をのけ反らせながら快楽に身を委ねている。
そして白い泡混じりの涎を口元にふき溢しながら、喘ぎ混じりに次々と卑猥な言葉を少女に投げかけた。
「ほら……見えるでしょ……ドーベルマンの……ベルの……犬のおチンポよ! 太くて長くて……あっ、アタシの中、かき回してるのよ!」
四つん這いになった女の腹部が少し出たり戻ったりと、内側から突き動かされている。
ふと、少女はさっきより少し膨らんだ女の下腹部に違和感を覚えた。
……あれからどうなったんだろう
少女は、あの日どうやって自宅へ帰ったのかよく覚えていない。
しかし一人のメスと一匹のオスが目の前で繰り広げた行為は、まだ幼く青い少女の性を強烈に刺激したことは間違いない。
少女はいつしかドーベルマンに繋がった金髪女と自分を重ね合わせ、行為にふける彼女の仕草や表情を真似ながら、夢想に耽っていた。
無意識のうちに濡れた秘部に指先を這わせながら……