痴漢誘発-8
その夜に掲示板を見ると、更に賑わいを見せていました。
『女子高生ぶっかけ祭、最高だったね!』
『AVみたいだったね!本当の素人にあんなにぶっかけられるなんて夢のようだったよ!』
『あの子、舌使い巧かったね!フェラ上手で最高だよ。』
『上半身裸だったもんね。明日は全裸にしよう!』
『明日はいよいよセックス祭ですかね?女子高生にハメまくり♪』
変な連帯意識を感じました。この分だと明日は犯されてしまいそうだと思いました。もうあの状況で犯されたら痴漢ではなくレイプです。怖くなりました。でも自分の中のどこかに電車の中で犯される自分にドキドキする気持ちもありました。何しろ無数の手に弄られる快感が忘れられそうにありませんでした。憂鬱と快感の入り混じった複雑な気持ちのまま私はいつものように駅に向かいます。
いる…、確実にいます。彼らからすれば今からセックスできる女…、相当興奮しているでしょう。私は俯きがちに歩きホームに立ちました。さりげなくスッと集まってくる人影。まるでSPに護衛されているような雰囲気でした。そして獣達の詰まった電車が来ました。私はまた押されるように電車の中に入りました。
ドアが閉まった瞬間、もはや暴徒化した痴漢達がいきなり私の体目掛けて手を伸ばして来ました。破けてしまいそうなぐらいに乱雑に掴んで来ます。そして私の股関には複数の手が忍び込んで来ました。ボタンが弾け飛んでしまいました。肩紐を外され胸を掴まれました。私はもう覚悟を決めました。私は痴漢達にレイプされる、と。
その時でした。
「お前ら何してるんだ!」
突然の大声にビクッとしました。痴漢達をかなりの人数の男性が取り押さえていました。
「警察だ!お前らみんな痴漢の現行犯の疑いで逮捕する!大人しく次の駅で降りろ!署で詳しく事情を聞く!」
なんと警察でした。私がSPみたいだと感じたのは警察の方々だったのかも知れません。ある意味本当にSPでした。
私も参考人で署に行き事情を説明しました。痴漢被害者として。明日から駅や電車内に人員を配置して痴漢撲滅に尽力すると約束してくれました。あ、当然痴漢を誘発しただなんて言えませんでした。
その夜、掲示板には逮捕者が出たからもうこの路線は止めろと注意を促す書き込みがありました。もう明日は大丈夫だろう、そう思いました。
次の日から痴漢はピタリと止まりました。安心して通学できます。でも、電車内での、あの私の体を弄る感覚は忘れられません。今は密かに違う痴漢人気路線で痴漢されてみようかな…、そう思っています。