授受―じゅじゅ―-2
「そんなところに立っていないで、もっと私のそばに来てくださいよ、奥さん」
紗耶香は聞こえない振りをしてそこから動こうとはしない。
「私に会いに来てくれたということは、体が寂しくなってきたんでしょう?」
「主人に付き添って来ただけですから……」
「そんなに短いスカートを穿いてきておいて、それはないでしょう」
「これしかなかったんです……」
紗耶香は嘘を言った。ほんとうは、何がしかの情事を期待する気持ちを秘めているから、こうして膝上丈のスカートを選んできたのだった。
「あなたは賢くて美しい人だ。私の言うことを無視すればどうなるか、それを心得ているはずです」
紗耶香はメガネのフレームを指で押さえながらうつむいた。
どんな扱いを受けるのかわかっていても、弱みを握られている島袋に逆らうことはできない。
ストッキングで装った長い脚をきちんとそろえて、島袋の手の届く位置に紗耶香は立った。
「バイブは使ってくれていますか?」
島袋の手が紗耶香の腰を撫でてくる。
「そういう話はやめてください……」
「隠さなくてもいいんですよ」
「もう忘れましたから……」
「よく思い出してごらんなさい。あなたはいつだってバイブのことを考えているはずです」
いやらしい手が紗耶香のヒップラインまで下りてきて、そのまま太ももの表面をさまよいはじめる。
人妻のなめらかな感触に満悦した島袋は、いよいよスカートの中の極点をまさぐりに行って、精力を養うために指を送りつづける。
「主人が来ちゃいます、やめてください……」
「どれどれ」
「触らないで……」
「ふむふむ」
「いや……」
「これはこれは」
嫌がりながらも股間を触らせてくれる紗耶香に興奮して、ストッキングのきわどいところを破く島袋。
ビリッという生地の裂ける音に反応した紗耶香が息を呑む。
「今から奥さんの検温をしてあげますよ」
怪しげに微笑む島袋が体温計を持ち出してきた。それがスカートの裾をくぐった直後、ショーツをずらされたそこに体温計がツルンと入ってきた。
「ん……」
紗耶香は目をつむって挿入に耐える。スムーズに入ってきたことで、その感触にはどこかほっとする性質があるように思えた。
「奥さんの膣内は何度を示しているんでしょうかねえ?」
島袋によって体温計が微妙に抜き挿しされる。そのリズムが紗耶香の欲している間隔と一致して、デリケートな粘膜に甘い刺激を擦り込んでくる。
そうして愛液が分泌されるのを紗耶香も認めていた。
「はあ……ん……はあ……」
「どうしました?熱でもあるんですか?」
「あ……だめ……はあ、はあ、ん」
島袋がヴァギナをかき混ぜてくるので、感じやすい紗耶香は立っているのがだんだんつらくなってきた。