悪戯―いたずら―-7
拒んでは受け入れ、拒んでは受け入れ、自分がどんな性格だったのか、そんなことがどうでもよくなる。
私、どうしちゃったんだろう──。
よその男と遊ぶことに快感をおぼえているのだ。海岸に打ち上げられた小魚みたいに、人妻の肢体がぴちゃぴちゃと飛び跳ねる。
「しっかりしていてくださいね。もっと奥へ入れてあげますから、失神しても知りませんよ」
しっかりしていられる自信は紗耶香にはなかった。
「いやあ……いやいや……」
バイブを独占したくてたまらないのだ。生活のリズムが狂ってもいいと思えてくる。
いちばん奥まで、それをちょうだい──。
人妻の覚悟に呼応するように、姑息なマシンが膣に染み込んでどんどん入る……。まだまだ入る……。
そうして根元のパールが埋まるまでしっかりと挿し込めば、小さな枝が敏感な豆をちろちろと舐めはじめる。
「ひっく……うんん、だめ、だめ……」
「直径4センチのバイブにして正解でしたよ。奥さんの穴にちょうどいい大きさでしょう?」
「ああ、破けちゃううう……」
よがりながら全身で息をする人妻の肌が、たちまち女のかがやきを放って官能を開花させていく。
右手でバイブを押し込みながら、左手で紗耶香のヘアーを撫でる島袋。
「バイブの頭は今、ここに隠れているのですかな?」
島袋が紗耶香の下腹部に手を添えると、そこじゃないと言いたげに紗耶香は首を振る。
「へその下とか?」
島袋の手がそこへ移動するが、違う違うと若妻の表情が応える。
「だとすると、奥さんの子宮にまで届いているんですかね?どうなんですか?」
と尋ねながら、萎んだままの子宮のあたりを触る。そこでようやく紗耶香のあごが縦に動くと、人妻趣味の島袋は玩具のテンションをさらに強くしていく。
「ああん!」
膣がひっくり返っているんだと紗耶香は思った。バイブは単純に回転しているのではなく、反転をくり返しながらヴァギナのひずみをくぐり抜けて、それこそ伸縮するような動きで子宮に迫ってくるのだ。
「道具で妊娠することはありませんからね、たっぷり感じさせてあげますよ」
島袋の台詞が子宮にまで響いてくる。紗耶香はバイブにめろめろになっていた。もしかしたらセックスよりも気持ちいいのではないかとさえ思えてくる。
「旦那に相手にされない寂しい人妻が、世の中にはたくさんいるんですよ。そんな彼女たちが何を生き甲斐にしているのか、おわかりですか?」
島袋が何を聞き出そうとしているのか、紗耶香にはわかっていた。けれどもそれを言うわけにはいかない。
どれだけ魅惑的な凌辱を受けようが、自分は貞淑な既婚者なのだと気持ちを据える。
しかし悪魔がそれを許さなかった。