悪戯―いたずら―-3
「被害者は私だ。奥さんには責任を取っていただきたい」
「責任だなんて……」
「ちょっとくらい火遊びをしたって、ご主人にはわかりませんよ」
「困ります……」
「よその奥さんたちだって、ちゃっかり火遊びを楽しんでいるのですよ。あなたも主婦なら、その気持ちがわかりますよね?」
「私は違います。帰ってください……」
突き放されるほどに興奮をおぼえる島袋。若妻にふさわしいパフューム、そのなんとも言えない濃密な匂いに欲情してしまうのだった。
「野村さんのところの奥さんがこんな物を買っているんだって、ご近所の人たちに教えてやってもいいんですね?」
「やめてください……」
強請(ゆす)られるたびに紗耶香の瞳からは光が消えていく。
やがて負けを認めるように目を伏せる。
「これっきりにすると、約束してください……」
「応えは保留にしておきます」
意地悪な島袋はさっそく箱の中身を探り出す。
「いけないことをする奥さんは、これで逮捕しないとね」
取り出した手錠を紗耶香によく見せて記憶させる。凌辱プレイはすでにはじまっているのだ。
文句を言いたげにしていた紗耶香も、手錠に対するマイナスイメージにただ閉口するしかなく、されるがままに細い鎖でつながれてしまった。
どれくらい頑丈に拘束されているのか、紗耶香は手足を動かしてみる。
「うっんっ?んんっ?」
背中にまわした両手首に一つ、それに正座した両足首に一つ、体をもてあそぶためにはめられた玩具はちっとも解けない。
「すごくいやらしい恰好ですよ、奥さん」
島袋の手が紗耶香の膝へ伸びて、すりすりと撫でる。
「いや……」
「こうなることを期待していたんじゃないですか?」
服の上から胸を揉んでにやつく。
「んっ……」
さらに腕をさすって髪の匂いを嗅ぐと、ウエストからヒップにまで両手を這わせて、挨拶程度にやさしく愛撫していく。
「人妻のシャンプーの匂いも、私には何よりのご馳走ですよ」
柔らかい肌に埋もれた性感帯に女の悦びをあたえるつもりで、紗耶香の全身のあちこちを触りまくる。
そんな行為が10分ほどもつづくと、家庭的な紗耶香の反応にも隙が生まれはじめる。
「気持ちよくなってきたようですねえ」
「知りません……うくん」
「腰も、指先も、ぴくぴくしてますよ?」
「いい加減にしてください……ふうん」
敢えて乳首のあたりを避けて胸をまさぐり、陰部に触れないように太もも肉に指をうずめて撫でる。紗耶香の唇がゆるむのも必至である。
「可愛い……ひひ、奥さん……ああ、嫉妬してしまうほど可愛い……へへ」
長年愛し愛されてきた夫婦ように相手を思いやるペッティング。