姦通―かんつう―-6
「あっ、ほんと、だめっ……」
「スカートの下は──」
と島袋は両手をかまえて、
「──生乾きの女の匂いがするねえ」
スカートを上へ払う。
「いやあだあ、だめ、ゆるして……」
「奥さんだって、ほんとうは熱く燃えたいんだろう?」
台詞をさっさと切って、島袋は紗耶香の下着のちょうど真ん中にむしゃぶりついた。
「きゃ、あっんっ……」
自分はきっとこんな声が出るんじゃないかと紗耶香は思っていた。
荒らされてはいけない部分に他人の唇を受けて、さらに舌が伸びてきて舐めまわされる。
「フェロモンの洪水だよ。なんてスケベな匂いなんだ」
「やめて……くだ……さ……ひっ……」
下着越しだというのに、陰部を直接いたずらされているようなその舌の感触は、紗耶香の人妻たるベールを脱がすほどにすごかった。
腰が勝手にひくついて、あられもない声で部屋中にムードをあたえる。
気持ちよくなっちゃだめ──。
紗耶香は大人の乙女心に必死にしがみついていた。
「奥さんのランジェリーが透けてきてるよ?」
「ううん、ひどい……」
「ここがクリトリスだな」
紗耶香の股間に顔面をうずめる島袋。
「やんっ!」
男知らずな新妻の全身に爽快な痺れが駆けめぐった。
両脚で島袋の頭を挟みながら、クリトリスが敏感にできていることを実感する。
こりこりとそこを舐められているうちに、だんだんと卑猥な言葉を口走りたくなるのである。
「もうやっ……いや……だ……あんっ」
ずるいくらいに焦らされたり、ことごとく舌先ではじかれたりと、何通りもの愛撫で責められつづけた。
はあ、はあ、はあ、はあ、と淫らな吐息が止まない。
あそこが熱くておかしくなっちゃう──。
「こっちの口からも、だいぶよだれが溢れてきているよ」
ショーツのシミに人差し指をあてて、ぐしょぐしょといじくりまわす島袋。
「いっ、んっ、んっふ、あん……」
紗耶香の両膝を乳房に押し当てる恰好にしておいて、ショーツのわきから指をしのばせると、粘つくそこを入念に撫でまわしてやる。
「んんっ……んんっ……うっ……」
さらに匂いのありかを求めて、入り口のびらびらしたものをしばらくなぞったあと、その指を紗耶香の中へ入れた。
「は……あ……うう……」
今までになく、女体の奥から染み出るような声をこぼす紗耶香。表情が明らかに変わった。
「奥さんの愛液で、私の手がべたべただよ」
「ああっ、やめ、てふう……」
「ここがいいか?くちゅくちゅされるのが好きか?どうなんだね?」
あぶない注入をぬらぬらと膣内で感じては、島袋の指をぱくっと締めつける膣口。
たった指一本だけの行為で、紗耶香の心身はアンバランスにくずれはじめていた。