エピローグ-8
眠ろうとしているメイの体のまわりをせわしなくハムスターが走りまわっている。
ハムスターはメイを全く恐れることもなく、メイの顔の前にやってきては、その小さな体をすり寄せていた。
するとメイは、一つまばたきをしてから、ハムスターの体を優しく舐めていた。
『嘘みたい!』
坪倉ひばりが目尻を下げて言った。
そんな彼女を微笑ましく一瞥してから、女子アナはさらに続ける。
『こちらのジャンガリアンハムスターのシゲくんは、知人の方が旅行に行ってる間だけMさん宅で預かることになり、やってきました。
Mさんはメイちゃんとシゲくんが顔を合わせないよう細心の注意を払っていたのですが、ちょっと目を離した隙に、なんとメイちゃんがシゲくんの入っていたケージを開けていたのです!
Mさんがそれに気付いた時には、シゲくんの姿はどこにもなく、最悪の事態が頭をよぎったそうです』
女子アナの感情たっぷりのナレーションなどどこ吹く風といった感じで、今度はメイのエサが入った器にシゲが入り込み、二匹で仲良くエサを食べている光景が流れていた。