君をもう一度抱きしめたい2-4
このおっさんが余計なことを言ったばっかりに……。
怒りの矛先を園田に向け、ものすごい形相で睨みつけてやると、奴もさすがに慌て出した。
「ま、まあまあ有野さん落ち着いて。
手島さんは、あなたのことがもう気になって気になって仕方なかったんですよ。
それに、久留米さんとなさってる時の有野さんは大変色っぽくて、美しかったんで、恥ずかしがることないですよ。
顔に似合わず大胆な所がまたそそられるというかね。
あの時の声だって、可愛くて、悩ましくて、私的には最高でした」
園田は一生懸命フォローしていたが、どうやら全く逆効果らしく、芽衣子の後ろ姿はプルプル震えていた。
「おい、お前もうしゃべんなよ」
俺は園田の肩を掴んで制するが、奴は構わずにずっと懸命に芽衣子を励まし続ける。
「それに久留米さんだって素敵でした。
ホント有野さんを大事に想ってらっしゃるんでしょうね。
とても優しく抱いていて、愛がこもっているのが伝わってきたし、何よりタフでしたし。
3分で終わる手島さんとはえらい違……」
見当違いのフォローを続け、さり気なく俺に失言をする園田に、とうとう堪忍袋の緒が切れてしまい、俺は奴が言い終える前に、思いっきりその薄い頭を殴ってやった。