君をもう一度抱きしめたい2-20
一瞬、コイツが何を言っているのか理解できなかった。
判断能力が鈍っていたらしく、2、3秒遅れてから、園田の言ったことを脳が処理し始める。
そして状況を理解した俺は、
「はあああ!? お前、マジふざけんなよ!
どうなるんだよ、俺は!」
と、薄れていく視界の中で園田の胸ぐらをグイッと掴みかかっていた。
「い、いやだから……、一つランクが下がって、人間以外の哺乳類に生まれ変わるんですよ」
ホールドアップといった感じで両手を上げる園田。
「っざけんな、このボンクラ童貞天使!
そんな凡ミスなんかしやがって、俺の来世どうしてくれんだ、このクソハゲ!」
俺は園田のネクタイを掴むと、奴の身体をゆさゆさゆすった。
しかし、園田も負けてはいない。
俺の吐いた暴言にかなりムッとしたらしく、口を尖らせながら、
「いやあ、あんた達が名残惜しいからって、いつまでもイチャイチャしてるのが悪いんでしょ!
サッサとサインしてりゃこんなことになんなかったのに……」
と言い、ペッと唾を吐き捨てるように俺から顔を背けた。
「てめ……」
俺の怒りは頂点に達し、拳を作り園田に殴りかかる寸前だった。