君をもう一度抱きしめたい2-18
そんな時、ふと“ゴースト”のラストシーンを思い出した。
“愛してる”と言葉にするモリーに対し、“同じく”としか言えなかったサム。
そんな二人がいよいよ今生の別れをする際に、サムはやっと“愛してる”と口にする。
そして、涙しながらもモリーはサムの口癖“同じく”と答えるのだ。
映画通り、男の俺が“愛してる”と言って、芽衣子がここで“同じく”と言えたらベストなんだが、この映画を一番好きな彼女なら、立場が逆でもきっと伝わるはずだ。
それに“同じく”くらいなら、なんとか声に出せそうだ。
もう一度芽衣子を見れば、そのまま崩れ落ちそうになっている身体をなんとか園田に支えてもらっている所だった。
お前と“ゴースト”を最後まで観たのは、夢なんかじゃねえんだぞ。
芽衣子の驚く顔が早く見たくて、“同じく”と口を開きかけたその時だった。