特別車両-1
【特別車両】
手島に耳打ちされた悦子はすっかり大人しくなっていた。
恵里香はそんな母親を見て怪訝そうな顔をしたが、バカな母親がもう男達を刺激することが無い様子に安堵していた。
見るに堪えない自分の淫らな画像をネットで流されたり、自分の出生の秘密など幼稚園のママ友関係に知られたら、プライドの高い恵里香は生きてはいけない。
そんな自分の人生を一変させる弱みを握られてしまったからには、ひたすら耐えるしかないと理解した恵里香は、これ以上男達を刺激したくは無かった。
手島はすっかり大人しくなった2人に満足気な表情を浮かべた。そしてにこやかに2人に服を着ろと命じた。
女体のいたるところに精液を浴びた2人は、さすがにこのままでは服を着ることができない。
2人は陽子が差し出した濡れティッシュを受け取ると、情けなさに肩を震わせながら全身の精液を拭い始めた。
その屈辱的なシーンまでも画像として記録されていたが、もうイチイチ反応はしなかった。
精液の被害は恵里香の方が多い。面白がって若い恵里香の方に向けて射精するプレイヤーが多かったからだ。
悦子が恵里香の後ろ髪についたヌメリを拭おうとして恵里香の髪に触れた。その瞬間、恵里香は物凄い形相でその手を払いのけた。
「余計なことをしないでっ!」
娘の態度に顔をしかめた悦子だったが全ては自業自得だった。
被害の少なかった悦子は先に体を拭き終わり、車両に散乱する自分達の服を集めた。恵里香も体を拭き終わったので、悦子は恵里香の服を差し出したが、そんな行為すらも恵里香にしてみれば腹立たしいことだった。
「汚らわしい、触るな!」
恵里香は凄い形相で母親から自分の服をひったくった。
その服を手にした瞬間、今拭き終わったばかりのヌメリと同じ物を指先に感じた。
その手についたヌメリを見て恵里香は一層情けなくなった。
(どこまで…)
恵里香の手にした服は、射精後のプレイヤーの後始末に使われていて、所々精液で汚されていたのだ。それは勿論悦子も同じだった。
恵里香は服を引きちぎりたい衝動に駆られたが、そんな態度を見せればまた攻撃の種を蒔いてしまう。せっかく悦子が大人しくなったのに自分がそれをぶり返すことできない。
恵里香はやり切れない思いを胸に濡れティッシュで精液を拭ってから、染みの付いた服を身に付けた。
しかし、原型の留めない下着や、大量に精液の付いた下着は身につける気がしなくて、服の下はノーブラ、ノーパンのままだった。
一方、すっかり反省していた理紗の扱いは、但馬母娘よりも随分とましだった。
中出しと口内射精は有ったが、前回のように全身に精液をかけられることも、服で射精の後始末をされることも無かった。
前回の事もあって、一応着替えも用意していたが、プレイヤーが集めて差し出した服をそのまま着ることにした。
多少皺になってはいたが、最後までプレイヤーに従うことで理紗は自分なりのけじめを付けるつもりだった。
しかし、悦子の口に入れられ唾液で汚れた下着だけは、汚い物でも触るように摘まみ、自身の用意したゴミ袋に捨てて、用意していた下着を穿いた。