君をもう一度抱きしめたい1-26
しばらくその感触を楽しんでいるうちに、芽衣子の乱れた呼吸に混じって喘ぐ声が聞こえてきた。
よし、あと一押しだ。
胸を弄っていたその手をスルスル下ろし、再びスカートの中に手を忍ばせた。
「……それにタイムリミットまで時間があと10分ほどしかないんですよ」
「それも大丈夫だっつうの。3分あれば余裕で終わる」
そう言って、スカートの中を這いずりまわっていた手を、ショーツの中に差し入れようとした所で、俺はふとその手を止めてしまった。
……今の声は芽衣子にしてはやけに低かったような。
背後で何か気配を感じ取った俺は、バッと勢いよく後ろを振り返った。
そこに立っていたのは、バインダーを小脇に抱え、携帯電話を手にした馴染み深い中年男の姿。
「……園田!」
俺は慌てて、まくれあがっていた芽衣子のスカートを元に戻す。
芽衣子も驚きのあまりしばらく固まっていたが、我に返ると慌ててブラをつけ直し、脱がされかけたワンピースを急いで元通りに着直した。
そんな俺達をひたすら冷めた目で見ていた園田は、
「……3分で終わるって、威張って言えることなんですか」
と、若干軽蔑を含んだような口調で、ボソッと呟いた。